🎬『日常対話』ホアン・フイチェン監督、撮影/台湾/88分/7月31日よりポレポレ東中野他にて全国順次ロードショー公開
母が用意してくれる料理を食べること以外に口もきかないし、何の接点もないまるで赤の他人のように暮らしている母アヌと娘チェン(ホアン・フイチェン)。
チェンは勇気を出して母との対話を決意する。母本人のほか親族、母のかつての恋人など身近な人のインタビューや対話を通じて、母アヌの苦悩が浮き彫りとなっていく……。
台湾の女性監督ホアン・フイチェンは娘が誕生したことをきっかけに、母親と向き合う様子うを、自らカメラをまわした家族ドキュメンタリー。
この作品は2017年の11月に大阪•豊中で開かれた「シニア女性映画祭」で上映された。観客は25名ぐらいだったが、作品の訴える力、内容の意外さに驚いた。これ一本で名古屋から出かけた甲斐があった。
その時の感想
母は私と孫の昼食を作ってから出かけて、帰るのは夜。それも夕飯はすませて帰ってくる。母と同居しているのに何十年も他人同士のような生活で「おはよう」の会話もない。
自分が母から愛されているのかわからない。母の沈黙には大きな秘密があると感じた私は勇気をふるってカメラを向け
なんでもない母娘のように見えていて実に意外なことが隠されていた。母親はレズビアンで男っぽいいでたちだが、言われなければわからない。そのことで娘は嫌な思いをずっとして来た。父親は暴力を振るうので娘2人連れて離婚、その後、父親は自殺。
ここまでは想定内だったが、もう一つ秘密があった。だが書くのはここまでにしよう。この母娘が明るい方向になっていく予兆で終わっているのが救いだった。
★第67回ベルリン国際映画祭パノラマ部門でLGBTをテーマにした作品に贈られるテディ賞を受賞。2017年アカデミー外国語映画賞の台湾代表作品に選出された。
2021年07月25日
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