🎬『5月の花嫁学校』マルタン・プロボ監督、脚本/フランス/109分
1967年。緑豊かなフランスのアルザス地方の小さな村にあるヴァン・デル・ベック家政学校に、今年は18人の少女たちが入学して来た。
校長は美しい中年女性のポーレット(ジュリエット・ビノシュ)。経営は夫のロベール(フランソワ・ベルレアン)。講師にはお堅い修道女のマリー=テレーズ(ノエミ・リヴォウスキー)と、料理を教えるポートレットの妹ジルベルト(ヨランド・モロー)だ。
入ってきた新入生を2年間で完璧な主婦に変身させる授業をモットーにしているが、女性解放運動の風を感じる少女たちにとって、納得できないことばかり。美容師になりたい、法律を勉強したい、親が決めた結婚なんてしたくないと反発しながらも、お金も学歴もない彼女たちは、大人たちの決めた道に進むしかなかった。
ミッキーの若かりし日にも「花嫁修業」という物はバッチリあった。お茶、お花がまずできて当たり前、23歳までが適齢期、24歳が微妙で、25歳なら「遅い」と言われ、26歳からは「オールドミス」と言われたものだ。
ミッキーは運よく(悪くか?)25歳で結婚したが、すぐ上の姉は30歳でやっと相手が見つかった。親戚などは「片親なのに、女の子に教育を受けさせたり、働かせる(中学の音楽教師)とろくなことはない」とことあるごとに言われたらしい。
日本だってつい50年前はそうだったから、フランスだって、この映画の設定年1967ならどこも同じだぁと思いながら観ていた。
今、当たり前なことがつい30年前、40年前は色々な枷があった。そんないろいろをこのフランス映画を観て考えさせられた。
★料理を教えるヨランド・モローさんはフランス映画祭が横浜パシフィコでやっていた時に『海が満ちる時』
という初監督作品を持って来日された。それからミッキーはこの方のことが大好きになった。主演より助演やちょっとした役で登場する女優さんだが存在感がある方だ。
2021年05月28日
この記事へのコメント
コメントを書く