🎬『のさりの島』山本起也監督、脚本/129分/5月29日より渋谷ユーロスペース他にて全国順次ロードショー公開。6月19日より名古屋栄・名演小劇場にて公開。
熊本県•天草の寂れた商店街にオレオレ詐欺の若い男(藤原季節)がふらりとやってきた。そんな彼に騙された(?)のは、山西楽器店を一人で営んでいる老女•艶子(原知佐子)。
その男の「孫の将太の不始末で、友人である自分が金を受け取りに来た」という言葉を「孫の将太本人」と思い込んで、いろいろ世話をして一緒に暮らし始める。男は久しぶりのお風呂、久しぶりの温かい食べ物にありついて……。
熊本県天草を舞台にオレオレ詐欺の若者と老女の奇妙な生活を描いたドラマ。
こんな辺鄙な過疎の町の商店街に「オレオレ詐欺」くんがやってくる設定に違和感を抱いた。今までそれでしのいできた青年なら、土地の者同士の結びつきが固い場所に、いくら孫とか孫の知り合いとか設定しても無理ってこと知らないのが不思議に思った。
これをみて『しゃぼん玉』を思い出した。ストーリーは
伊豆見翔人(林遣都)は女性や老人ばかりを狙った通り魔や強盗傷害を繰り返しながら逃亡生活を続けていた。ある日、宮崎県の山深くにある椎葉村に流れてきた彼は道端に倒れていた老婆スマ(市原悦子)を偶然助けたのが縁で、彼女の家に世話になる。
彼は金品を盗んですぐに逃げるつもりだったが、村の人たちは皆、彼のことをスマの孫と勘違いして、あれこれ世話を焼いてきて、逃げられなくなる。という話。
これは5年前の映画で不自然さはなく、もう一度DVDで見たいと思っている。
さて『のさりの島』の原知佐子さん。見事なお年寄り演技、というよりご自身そのものの動きであったのか、75歳になろうとしているミッキーの身体の動きとそっくり。お亡くなりになったことは失念していたが、改めて良い役者さんだったと思った。
艶子さんの土地のFMラジオ・パーソナリティさんは、山西楽器店に2回きて2回とも「おばあちゃん」と呼びかけている。パーソナリティするぐらいの女性なら「山西さん」と呼びかけてほしかった。ましてや頼み事をしにきたのに……。(町の歴史家を演じる柄本明さんには名前で呼んでいた)
ミッキーもそう呼びかけられることが多くなったので腹立たしいのだ。おばあちゃんと呼びかけたら「誰から見ても年寄りだけど、一応客だから、お客さんと呼んでまえん」と店内に響く大声でしかも日頃使わない名古屋弁で言う。
これを言うのは年に2、3回だが1週間ぐらい生き生きして過ごせる(どういう根性曲がりだ‼︎ 笑)
★ 「のさり」とは、天草地方に伝わる古い言葉で、「天からの授かりもの」という意味。今ある自分の全ての境遇は 天からの授かりもの。否定せずに受け入れるという意味。
2021年05月23日
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