2021年05月18日

イタリア映画祭2021で上映されなかった作品 7月3日公開『わたしはダフネ』

イタリア映画祭2021の新作をオンラインで全部見尽くした。ほぼ秀作揃いだった。今日はその続きのつもりで、急遽東京会場で上映されなかった『わたしはダフネ』を紹介したい。これは新作の中でも特級品で最後は深い深い感動に包まれる。

大げさにいえばこれを見ずして外国映画2021のベストテンは語れまい。

7月初旬公開でちょっと早めだけどイタリア映画祭をご覧になった方なら是非とも見ていただきたいので紹介したい。

🎬『わたしはダフネ』フェデリコ・ボンディ監督、脚本/イタリア/94分/7月3日より岩波ホール他にて全国順次ロードショー公開

父のルイジと母のマリアと一人娘のダフネ(カロリーナ・ラスパンティ)は休暇のバカンスを楽しんでいたが、帰りぎわにマリアが倒れてしまう。すぐに病院に運ばれるが治療の甲斐なく亡くなってしまう。

突然の母の死でダフネは泣き叫び狂乱する。父(アントニオ・ピオバネリ)は落ち着かせようとするが、彼女は興奮するばかりだった。

マリアの葬儀が終わり普段の生活に戻る父娘。ダフネは勤務先のスーパーマーケットの同僚や友人の支えによって少しずつ平静さを取り戻し、明るい表情も出てきた。

だが父は寂しさと不安で家業のアンティークのお店も閉じていて一向にお店を開けようとしない。そんな父の様子にダフネは母の故郷トスカーナに電車と徒歩で行こうと提案する。

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ダフネは明るい性格で社交的なダウン症の女性。スーパーで働き対人関係も良好。父と二人旅に出ても途中で出会う人たちと交流を重ねながら進んでいく。

そんな父は最後に泊まった宿屋の女主人にダフネが生まれた時のショックを訥々と話始める。赤ん坊のダフネを見ることも抱くことも出来なかった……と。


ハンカチではなくバスタオルのご用意を、と言いたいぐらい涙、涙。亡くなられたお母様の慈しみ深い育て方が、こんなにも素晴らしい女性に成長させていたのだ。

旅から帰って、父に「これからはわたしを頼りにしてね」とプレゼントを差し出す。それは……。

★ 2019年・第69回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門で国際批評家連盟賞を受賞。ダフネ役のカロリーナ・ラスパンティさんはご自身もダウン症で、ボンディ監督に見いだされて本作で演技に初挑戦❗️

posted by ミッキー at 20:50| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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