トリエステで暮らしている裕福なユダヤ人男性の医師シモーネ(アレッサンドロ・ガスマン)は、川でカヌーを操っていたところ、すぐ近くの道路で衝撃音を耳にした。岸辺にあがり道路に出ると車の中で瀕死の男がいた。
すぐに通報して応急手当てをしようとするが胸にはナチスの刺青を見て手が止まってしまう……。

ユダヤ人とネオナチの予期せぬ出会いと関わりを描いた群像映画。ヴェネチア国際映画祭の批評家週間でFrancesco Pasinetti Awardを受賞した作品。
後悔の念に駆られたシモーネは父親を失った家族を調べて近寄っていく。その遺族は死んだ父親も長男もガチガチのネオナチで、美しい娘と弟はそのグループから離れている。遺された家で3人貧しく生活している。そんな様子を探ったシモーネは美しい娘の「家政婦します、生粋にイタリア人です」という貼り紙を見て連絡する。
こうしてシモーネとネオナチ遺族の微かな交流が綴られていく。家政婦としてやって来たサラ・セッラヨッコさんの清純で知的な面立ち、遠慮がちな物言いがこの作品の品格を上げていた。
🎬『もしも叶うなら』ジネブラ・エルカン監督/イタリア、フランス/142分
長男セブ、次男ジョン、妹アルマの兄妹の両親は離婚している。子どもらは母親(セリーヌ・サレット)とパリで暮らしていたが、新しい愛人との間に4人目の子を身籠ったため、養生したいから学校の休暇中の2週間ほどローマに住む実父( リッカルド・スカマルチョ)のところに預けられることになった。
今までに4本観たがすべて1500円の価値あり!だ。(無料の短編はミッキーとしてはイマイチ)
この『もしも叶うなら』も良かった。家にいてイタリア気分満喫で+喜怒哀楽を共有できる。
この作品では8歳ぐらいのちょっとおませな女の子・アルマの目を通して別れ別れになっている両親、父の恋人(アルバ・ロルヴァケル)を見て、いろいろ思うことを口にしている。

女性監督さんの作品。デビュー作にして、ロカルノ国際映画祭のピァッツァ・グランデのオープニング上映された。
子どもたちにとって二つの家庭がまるっきり違うので戸惑うことばかり。今までは正教会の信者で生真面目で厳しい実母から自由奔放な実父、子の面倒はいい加減だが愛犬には事細かく注意深く扱っている。それに気分の上下が激しく、同居する愛人も嘘をつけない性格で脚本をけなすので喧嘩はしょっちゅう。
始めはびっくりしていた子どもらもだんだん慣れてきて自由を満喫し始めるが……書けるのはここまで。
終わり方も悪くなく、エンドロールで流れる歌の意味も字幕に出ていたので嬉しかった。
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