2021年05月09日

生き下手な田中良子の場合 5月21日公開『茜色に焼かれる』

🎬『茜色に焼かれる』石井裕也監督、脚本、編集/144分/5月21日よりTOHOシネマズ日比谷他にて全国ロードショー公開

7年前に裕福で地位のある高齢男性の車に轢かれ、夫を亡くした母と息子(尾野真千子、和田庵)。

母・田中好子は3600万円ほどの賠償金は受け取らず、施設に入っている義父の代金を払い、夫が浮気で作った子への養育費も払っている。だから昼は花屋でバイトと、夜はデリヘルと苦しいながら、市営団地で暮らしている。

夜の仕事の噂のために息子はいじめにあっているが母親には言っていない。そこまでして何故に頑張っているのかわからない親子だったが……。

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このところ、尾野真千子の映画おっかけをしている。もうすぐ公開される『明日の食卓』、Netflixの『微笑む人』『坂道の家』『ヤクザと家族 The Family』だ。すべて実年齢ほどの役どころで不自然さは微塵もない。

この生き下手な彼女の生活を、花屋時給930円とかデリヘル時給、義父の施設の代金16万円(義父の年金もあるので実質は10万円くらいの出費)、市営住宅の家賃三万円ほど、飲み代5000円とかいちいち画面に表示されているのだ。

映画は生活費に関しては非常に現実的。しかし田中好子は非現実的に生きている。夫の借金は遺産放棄すればいいし、義父の施設費、浮気で作った子の養育費などは払わなくても済むはずなのに。

ましてや事故の保険会社からの大金は受け取るべきだ。息子のために使うべきだろうに……。

そんなこんなが観ていて歯痒いが、彼女が守りたかったものはなんだったかを是非ご覧いただきたい。ミッキーは今、半分しか理解できないでいる。

★新人・片山友希が素晴らしい。
posted by ミッキー at 11:32| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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