2021年05月06日

Netflix三昧のゴールデンウィーク『タイトル、拒絶』『ファトゥマ』『ひばりの三役 競艶雪之丞変化』

ゴールデンウィーク中、こんなにNetflixに助けられるとは思っていなかった。日本の古い映画も追加されているので嬉しい限りだ。

Netflix『タイトル、拒絶』山田佳奈監督/98分

舞台は雑居ビルにあるデリヘル。ここで働くのは、女性たち、客をさばく雇われボス、送り迎えする男性運転手がいる。

入ったばかりのカノウ(伊藤沙莉)は、その部屋の様子をみて小学生の時にやった「カチカチ山」を思い出すのだった。皆、ウサギちゃんには目がいくが、タヌキには目もくれない……と。

生々しい性産業の現場が面白い。若い子や美人にご指名がかかる。自分はまだまだ捨てたもんではないと確信してる痛い女もいるし、精神がちょっと……と思う女もいるが、これはこの職場独特のものではないと思う。大会社だって似たような構造はあるはず。

どんな映画でも「隙間」にちょこんといる感じの佐津川愛美さんがここでは痛い女を演じていたし、片岡礼子さんは年季の入った娼婦とした貫禄はさすがで、吐露する台詞も良かった。


Netflix『ファトゥマ』オズグル・オヌルメ監督、脚本/トルコ/6話(約250分)

貧しく影の薄い35歳の女ファトゥマは自閉症の幼い息子を抱え、掃除婦をしながら暮らしていた。夫は刑務所に入っている。

そんな時、息子を交通事故で死なせてしまう。刑務所から出てくる夫に知らせないといけないとやきもきして出所の日を待っていたが、夫は既に出てきていて亡くなった息子の慰謝料を手に居所不明になっていた……。

真実を教えてくれなかった周りの男たちをものの弾みで射殺してしまうが、地味な彼女がまさか殺人とは思わなくて、警官がそばにいても呼び止められたり捕まったりすることない。それどころか、そんな彼女の目立たない存在自体を「並の殺し屋より」良いといって殺人依頼されてしまうファトゥマ。

ファトゥマを演じた方は地味というわけではなく、美人だけど自分は美人と自覚していなくて薄化粧で大人しい印象。お名前はブルジュ・ブルリックさん。ほぼでずっぱり。

会社の掃除婦、個人宅の家政婦など掛け持ちで働いていて、自分の楽しみの時間などなし。笑い顔も笑い声もなしだ。

不幸という衣を全身にまとっている様子が板についていて、すごい女優さんだと思った。掃除婦さんから殺人者への道は意外なことにするすると行き本人も驚いている。

★日頃長いシリーズものは見ないが、これは一気見した。

Netflix『ひばりの三役 競艶雪之丞変化』渡邊邦男監督/90分/1957年

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美空ひばり主演fで、人気役者雪乃丞、母親、若衆の3役を演じていた。宇治みさ子、丹波哲郎、二木てるみさんが出ていた。ひばりちゃんの台詞まわしにうっとり。絵巻物もような作品だった。
posted by ミッキー at 01:33| Comment(0) | DVD Netflix | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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