
さて映画は始まり30分は設定内容も面白く、スピード感もあったが、中盤は頭が混乱、最後は「なんだこれが原因で?」とわかる。
終わってからトイレ手洗い場で「原作越えはしていないね」「原作が気持ち悪かったから映画でどうなるかと思ったけど、けっこうあっさりしてたね」と、女の子同士がおしゃべりしていた。その気持ち悪い映像にはぞっとしたミッキー、原作漫画本がどんな描かれ方しているのか見たくなった。
お客はけっこうはいっていて女性が半分以上。綾野と成田ファンと思っていたが原作ファンもいたようだ。
まあクリアファイル付きでも1900円は高いと思うが……。
Netflix『私というパズル』コルネル・ムンドルッツォ監督/カナダらハンガリー、アメリカ/126分

出産を間近に控えているマーサ(ヴァネッサ・カービー)と夫のショーン(シャイア・ラブーフ)は自宅出産希望で準備を整えていた。陣痛の感覚が狭まってきたので信頼していた助産師は急病人から手が離せなくなって、代わりの助産師(モリー・パーカー)が来てくれた。
女の赤ちゃんがようやく産まれて産声もあげたが、不運にも低体温になって死産となってしまう。マーサは喪失感から心を閉ざし、夫ショーンとの間にも溝が広がっていく。
ミッキーの主演女優賞予想は8割がたフランシス・マクドーマンド『ノマドランド』だと思っているが、ひょっとしたらヴァネッサさんが……と思えたこの作品。マクドーマンドさん同様出ずっぱりだ。
内容は待望の赤ちゃんを死なせてしまった女性を演じている。マーサは強い母親(エレン・バースティン)の反対を押し切って肉体労働の男と結婚、病院で産みなさいという母親の忠告も聞かずに家で出産と、母親の意見を聞かないことをやると裏目裏目となって彼女を不幸へと突き進んでいくのだ。
母親から自立しようともがく彼女が痛々しいが、世間ではこういう母娘は珍しい存在ではないと思う。そういう普遍的な状況を時には生々しく、時には1人孤立する女性をきめ細やかに演じていた。