🎬『ノマドランド』クロエ・ジャオ監督、脚本/アメリカ/108分
ネバダ州の企業城下町で暮らす60代の女性ファーン(フランシス・マクドーマン)は、リーマンショックによる企業倒産の影響で、長年住み慣れた家を失った。キャンピングカーに生活用品を詰め込んだ彼女は、季節労働の仕事を転々と渡り歩きながら車上生活をすることにした。
作品賞、監督賞、主演女優賞などがアカデミー賞にノミネートされている作品。
車で移動して車中で生活する……憧れもあるが、それは自分の帰ることが出来る家があってこその「あこがれ」だ。
60代のファーンは企業に勤めていたからきっと多少でも年金はあるだろうし、妹もいざとなったら力になってくれる(実際にお金も貸してくれたし、一緒に住もうとも言ってくれた)、ちょっと親しくなった男・デイブ(『黙秘』で殺された旦那をやったデヴィット・ストラザーン)からも一緒に住もうと誘われた。
このデイブも車上生活者だったが、家庭に帰ったら、どっぷりと家に馴染んでいた。
だがファーンは違った。
映画は「その後」や「安定」を見せないまま終わっていたが「自分のできないことをファーンがやってくれている」そんな感情が湧いてきて「一人生きていく」勇気や難しさを優しく教えて貰った貴重な作品だった。
2021年03月26日
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