2021年03月13日

大阪アジアン映画祭2021(7)『人として生まれる』『ブラックミルク』

🎬『人として生まれる』リリー・ニー監督/台湾/105分/世界初上映

2008年、台湾の基隆の中学生のシーナン(リー・リンウェイ)は、ゲーム好きな細身の少年だった。

そんなある日、突然お腹がいたくなりトイレに駆け込むと血尿が出たので、膀胱癌かと心配して両親と共に病院に駆け込むと……。


痛々しい展開だが観て良かったと思った。少年は「性分化疾患」と診断された。彼の身体に男性と女性、二つの生殖機能を持って生まれていたのだ。主治医は検査の結果を踏まえて、性別適合手術を受け女性として生きるべき」と両親に伝える。

両親はシーナンにどちらを選ぶかを聞かないで「女性」になるための手術をしてしまう。今まであったものが無くなってしまっても玄痛は残っていて自分がどうなっていくのか茫然自失な時が続く。

家も学校も変えて女学生として登校する様になったシーナン。ゲーム好きな女友だちもできて少しずつ笑顔も見せてくれるようになったが、ここからまた一波乱、二波乱。是非公開してほしい作品なので書くのはここまでだ。


🎬『ブラックミルク』ウィゼマ・ボルヒュ監督、主演/ドイツ、モンゴル/91分/日本初上映

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ドイツに住む女性ウェッシ(ウィゼマ・ボルヒュ)は20年ぶりに故郷のモンゴルに帰国。ずっと会っていなかった妹オッシとゲルに泊まり遊牧の生活を始める。久しぶりの再会に喜びあうがドイツ暮らしの長い姉とモンゴルに暮らす妹の間にいろいろな溝ができて……。

ドイツとモンゴルの女性を軸に、習慣、生活、性を描いている。

男性の仕事、女性の仕事がはっきり分かれているモンゴルで、男の仕事「羊を殺す」をものともせず実行する姉。災いが起こると心配する妹。印象的なシーンだった。

姉は村で評判の良くない男とも親しくなり、その「男らしさ」に惚れる。男の言うなりには絶対ならないが「男らしさ」を求めていて、妹も姉の行動に「嫉妬」のようなものと「この地で子を産み、守られたい」という、姉妹共々に複雑な気持ちが見え隠れしていた。

posted by ミッキー at 13:33| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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