テキサスの田舎町に住み、聖歌隊の指導をする主婦メイベリン(ジャッキー・ウィーヴァー)は、長い間疎遠だった息子リッキーの訃報を受け、リッキーの暮らしていたサンフランシスコへ向かう。
そこで彼女は、リッキーのパートナーであるネイサンから、息子がドラァグクイーンでゲイバーを経営していたことを知らされる。急死でも遺言もなく亡くなってしまったので、バーの経営権はメイベリンにわたり、そのバーの客の入りが悪くて破綻寸前の危機にあることを知って……。

ゲイだった息子が死んだという知らせに、今までずっと会っていなかった母親はすぐ旅支度をする。その横で父親は「葬式なんかに行く必要はない」という。それをはね除けて、テキサスからサンフランシスコに行く。。
教会の葬式はド派手で思い思いのドラァククィーン姿の仲間たちが歌ったり踊ったりで、早くも来たことを後悔して途中で抜け出してしまうメイベリン。
そんな出だしから始まるドラマ。主演がおっかないおばさん役が多いジャッキー・ウィーヴァーさんだが、今作では「人情味たっぷり」のゲイバーの経営者になる。
いろんなアイディアを出してお店を軌道にのせて……そして自身の人生も仕切り直しする姿に、いっぱい元気をもらった。
🎬『レンブラントは誰の手に』ウケ・ホーヘンダイク監督、脚本/オランダ/101分/伏見ミリオンにて
レンブラントの肖像画を所有するオランダ貴族の家に生まれた若き画商ヤン・シックスは、ロンドンで競売にかけられた肖像画がレンブラントの作品だと直感して、安値で落札する。本物であればレンブラントの作品が発見されるのは44年ぶりとなる。
大富豪のロスチャイルド家が所有するレンブラントの男女対の絵画2点が売りに出されることになったが、フランスのルーブル美術館とオランダのアムステルダム国立美術館が獲得しようと動き出す。
若き画商のヤン・シックスも獲得に名乗りをあげた両国もマスコミや政治家を巻き込んで大騒動へと発展していく……。
どちらかというと今日は『ステージ・マザー』がメインだったが、レンブラントの強烈ドキュメンタリーに軍配が上がった。監督は『みんなのアムステルダム国立美術館へ』の方。

画家や美術に関するドキュメンタリーや映画はけっこうみているが、ここまで赤裸々にレンブラントの絵画について描かれていたとは思わなかった。レンブラントの絵に対して向き合う画商、愛好家の姿が清濁併せ持って迫ってきた。
もちろん勉強になるドキュメンタリーに違いないが、より「人間性」や「国の思惑」が浮かび上がってきて驚いた。