舞台は浙江省・杭州市の富陽。今日は4兄弟の母親の誕生日。長男が経営する飯店で祝いの席が開かれていた。親族一同、親しい友人が年老いた母親に優しい言葉を添えてプレゼントを差し出している。
テーブルの上には山海の珍味が並び宴は続く。店の裏口では長男夫婦が生きの良い魚をしゃがんでさばいている。そこに「兄さん、代表で挨拶してください」と弟がやって来た。衣服を整え母親に何回も感謝の言葉を述べて深く頭をたれていると、母親は場の雰囲気に酔ったのが引き金になって倒れてしまう。
救急車で運ばれた母親を茫然と見送る兄弟たちは……。

杭州の富陽の美しい自然を背景に、一つの家族の変遷を悠然と描いた新人監督グー・シャオガンのデビュー作。監督ご登場。若い、青年監督だ。
舞台になったのは監督の故郷。出演なさった方々はほとんどがご親戚。ええ!お顔立ちも個性的で劇団所属レベル以上の演技だった。理由はお金の節約のためとか、しかし、こんな演技ができる親戚ならほっておく手はない。
映画は誰がどういう境遇かなどわかるのに相当時間がかかった。こういう時はわかるまで待つ根気がなくて居眠り💤や途中退席が常だが、これは風景が美しいことや一部雪景色が水墨画のように「澄み切った美しさ」に魅了されて一睡もせずに観た。
この兄弟に起こることはどこの国の地方都市ならあり得ることだが、さすが?中国、お金の揉め事はバッチリあった。