🎬『出櫃(カミングアウト)―中国 LGBTの叫び』房満満監督、編集/日本/54分
中国・江蘇省で教員資格試験を目指している谷超(グーチャオ)は、自分がゲイであることを父親に告白しようと決心して久しぶりに実家に行く。
もう1人、上海に暮らす安安(アンアン)は 19 歳の時に母親にカミングアウトしたが、受け入れられないまま32歳になった。現在はパートナーの丹丹(ダンダン)と暮らしている安安。再び母親と話し合い、受け入れてもらおうとするが……。

約7000万人とも推定される中国の性的マイノリティの人々を題材にしたドキュメンタリー。その中で95%がカミングアウトできていないでいる。
日本と比べると中国は親戚の結束が固く、隣近所なども結びつきが濃い。
グーチャオの父親もテレビカメラ前だから表向きには理性的に受け止めたが「どんなことでも愛する息子として変わらないよ」とは言っていない。結婚、後継ぎの夢は絶たれたのだから、あの後、どうなったのか心配だ。ただカミングアウトした方の息子は「理解はともかく告白した」ことで気持ちも軽くなったようだ。
アンアンの母親はもう泣きの一手でアンアンも鬱々とした表情だ。母親は適当な男と結婚式だけこちらでやってほしいと言う。アンアンも承知していたがカウンセラーの人に止められていた。
ドキュメンタリーではお二人だけの事例で、それもちょっと湿っぽくて真面目な親子だった。全然違う反応の親だっていたと思うが「なかなか見つからないほど」稀な例なのだろうか。
🎬『女詐欺師レン キケンな情事を追え!』藤原健一監督、脚本/70分
親を亡くし借金だけが残った兄妹。兄(山本宗介)と2人で生きる少女レン(神宮寺ナオ)は、詐欺師の良蔵(島津健太郎)に助けられる。兄はホストとして、レンは詐欺師見習いとして、良蔵の仕事を手伝っていた。
今回の詐欺のターゲットは、ミュージシャンを売り出そうとする女性マネージャー。ところが良蔵が昔世話になったヤクザの元大親分から若妻(織田真子)の浮気調査を頼まれた。調べてみると、若妻の浮気相手は売り出そうとしているミュージシャンだった。
これ、バッチリ「ピンク映画」だった。8人男でミッキー1人が女。
でも話の展開が込み入っている割には脚本がいいので混乱しなかった。まあ、15分に一回の割でsexシーンが入るのでわかりやすかったのかもしれない。どちらかというと話は現代だがsexシーンはノーマルものだった。
★結末は詐欺師が詐欺られて……という話。(でも財産放棄すれば親の借金払わなくていいんじゃないの?と教えてあげたかった)
★ピンク映画制作会社・大蔵映画が一般劇場向けにR15+バージョンで製作した作品を上映する「OP PICTURES+ フェス 2020」の上映作品。