🎬『43年後のアイ・ラブ・ユー』マルティン・ロセテ監督、脚本/スペイン、アメリカ、フランス/89分
妻が亡くなって気ままな老後を送っていた70歳の元演劇評論家クロード(ブルース・ダーン)は、昔の恋人で人気女優のリリィ(カロリーヌ・シオル)がアルツハイマーで高級介護施設に入っていることを知った。もう一度リリィに会いたいと考えたクロードは、自身もアルツハイマーのフリをして同じ施設に入居することを実行。
リリィと再会を果たすが、彼女はクロードのことなどすっかり忘れていた。そんなリリィに対し、クロードは毎日、2人の思い出を語るが……。

43年後に会って「ゲッ」とするぐらい醜い老婆なら、この映画は成立しない。去年公開されたフランス映画『男と女 人生最良の日々』の時もそう思ったが、美しく「老いる」ことは至難の技だ。
でもこの2つの映画の女性はすごい!老たけた美しさ、上品さ、言葉づかいなど、何十年たっていても「年齢に応じた美しさ」に脱帽だ。どちらの女性もミッキーみたいにガチャガチャタイプではなくしっとりおとなしめのタイプ。
★クロードの涙ぐましい努力、リリィが若い頃をゆっくりと思い出していく道のりが気長に描かれていた。優しくて紳士的なクロードが他の入居者に惚れられるアクシデントもある。
🎬『越年 Lovers』グオ・チェンディ監督、脚本/台湾、日本/116分/センチュリーシネマにて
暮れも押し詰まったある日、口も聞いたこともない同僚の男からいきなりビンタをされたシャオラン(ヤオ・アイニン)。男は会社を辞めて無言で立ち去った。親友イエナと一緒に台北の街で男を見つけるが……。
故郷山形に久しぶりに帰った寛一(峯田和伸)は初恋の翠(橋本なおみ)に会う。
亡き母の家兼食堂を片付けるモーリー(ユー・ペイチェン)は後片付けの作業を手伝ってくれる男チェンナン(ウー ・ホンシュウ)と離れがたく思うが……。

日本・台湾・マレーシアの年越しの頃の風景を、若い男女3組の恋の行方を描いたラブストーリー。岡本かの子の短編小説集に感銘を受けたグオ・チェンディ監督が映画化した。
もどかしい男女3組の恋物語。途中居眠り💤したが起きるのをまっててくれているような優しい気持ちがふんだんにある作品だった。
一番最初の作品が一番好み。ビンタした男の言い訳がとっても良かった。こういう事言われた女はきっと一生忘れられないだろうな。シャオランの可愛さ、ヘアスタイルが◎。