妻が別荘地の湖畔で水死。彼女を救えなかったと自分を責めるようになった外科医のユハ(ペッカ・ストラング)は無気力に毎日をやり過ごしていた。一人娘がピアスの穴を開けるというのでついて行った同じビルにあったSMクラブに偶然に足を踏み入れる。
ボンデージ衣裳に身を包んだモナ(クリスタ・コソネン)に客と間違われ、SMプレイとして首を締められてもうろうとする中、湖水で溺れている妻の姿を見る。妻の姿に生きる希望を感じたユハはモナの元に通い始めて……。

これは配給の方からDVDを年末にお借りして見たが、大画面でもう一度と思って観に行った。大画面で景色を満喫する作品とは真逆なものでだったが、DVDの小さな画面では浮かび上がって来ない何かが潜んでいそうな気がした。
嬉しいことに勘は当たっていた。痛い、辛い、苦しい作品だが観ていくうちに「温かみ」が終盤にかけて味わうことができた。
特に主演の外科医ユハの2つの顔、もう一人の主役の昼は整体師で夜はSMクラブで働くモナの2つの顔のメイキャップの違いがとても自然でありながら、特別な技術を感じた。画面の色調も大画面で観て良かったと思った。
★映画館に二の足を踏むこの頃だが10人に充たない劇場で深い「ブレス」をして『ブレスレス』を観た。