🎬『その夜は忘れない』吉村公三郎監督/95分/1962年
舞台は1962年の広島市。被爆から17年の月日が流れている。週刊ジャーナルの記者、加宮(田宮二郎)は、戦後17年の原爆記念特集号取材のため東京から広島に来た。
街は見事に復興していて彼は少々肩透かしを食う。そんな中、親友の菊田吾郎(川崎敬三)に誘われて訪れた店「あき」のママ早島秋子(若尾文子)に出会う。
原爆後17年の取材で来て、6本指の子のその後を取材したいと言うと美しい明子の顔が不意に曇ってきて……。

若尾文子さんのお声が大好き。今作のお相手は田宮二郎で苦み走った深刻な印象が強い俳優さんだが、ここでは真面目な記者さん。原爆の17年後の取材は思惑違いで、街は再建されているし、原爆記念館には広島の土地の人はほとんど来ないし、火傷を負った女性も手に職をつけて前向きに頑張っていて、取材の対象にはならなかった。
そのうちに若尾文子扮する美人ママと行く先々で出会って、そのうちに二人とも離れがたくなる。そして……。
最後の10分は秋子の運命、原爆の影響の恐ろしさを描いて幕になる。
午後から行く予定を辞めて映画を思い出しながら栄までゆっくり歩いた。