俳優さんも変わって違和感があってもエピソードが進むとそんな感じも無くなってしまう。今はちょうど世紀の恋のお相手シンプソン夫人がジェラルディン・チャップリンさんに変わったところ。お顔のすごいシワに驚いたが、クリスマスから正月中はこれを観まくりたいと思っている。長いシリーズものであきもせず見続けていけるのは脚本もいいが、多方面にわたって描かれているので退屈はしない。
これからサッチャーさんやチャールズとダイアナ妃などどんどん興味のある時代になるのでバーッと見ずにちょこちょこ小出しにしてたのしんでいる。
DVD『二つの世界の男』キャロル・リード監督、製作/イギリス/100分/1953年
1950年代の東西冷戦下のベルリン。軍医としてベルリンに駐在する兄マーティン(ジェフりー・トゥーン)のところに、休暇を利用してロンドンから訪ねてきた妹のスザンヌ(クレア・ブルーム)。
兄の美しいドイツ人妻ベッティーナ(ヒルデガルド・ネフ)がにこやかに出迎えてくれたが、家では不信な電話がかかって来たり、自転車に乗った少年(ディーター・クラウゼ)が自分たちの行動を見張っていたりと緊迫した雰囲気に気づいた。
着いてすぐに街を見物に連れて行ってくれた時に、偶然に義姉ベッティーナの知人イーヴォ(ジェームズ・メイスン)と会った。イーヴォは中年の男だが、若いスザンヌと気が合って、その後、食事やスケートにと2人は親しくなっていったが……。

1953年の作品でモノクロ。スパイ映画とはいえ、ドンパチはない。男優ジェームズ・メイソン演じるイーヴォが地味ながら魅力にあふれていて、純情なスザンナにだんだん惚れてしまう過程がじんわりと描かれている。
この作品の面白いところは当時のベルリンの様子がよくわかることだった。ベルリンの壁は1961年で、この映画はその前の数年のことだが、意外や通行はできていたことだ。
義姉の秘密、信用ならない男たち、イーヴォとスザンヌの短期間の恋模様に、ハラハラさせられたい。
★ 監督は『第三の男』『フォロー・ミー』のイギリスの名匠キャロル・リード。
主演は『評決』のイギリスの名優ジェームズ・メイスン。
スザンヌ役のクレア・ブルームはチャップリンの『ライムライト』のテリー役のかた。88歳の今も現役で活動中。