昨日は『アンダードッグ 前編・後編』で日本映画を堪能したが、4時からの試写でも来年1月公開の日本映画『花束みたいな恋をした』も見事な作品だった。主演は管田将暉と有村架純のお二人。オダギリージョーさんも少し登場する。今年の日本映画ベストテン入り作品と来年の日本映画ベストテン入り(多分)を同日に観られて嬉しい。
🎬『アーニャは、きっと来る』ベン・クックソン監督、脚本/イギリス、ベルギー/109分
第二次世界大戦中、ナチス占領下のフランス。スペインとの国境にあるピレネー山脈の小さな村に、1人の男・ベンジャミン(フレデリック・シュミット)がやって来た。彼はユダヤ人で、ナチスの迫害からユダヤ人の子たちを守るために、この村からピレネー山脈を越えてスペイン領へ逃がすという計画を実行するために来たのだった。
村の羊飼いの息子で13歳の少年ジョー(ノア・シュナップ)はベンジャミンの計画に協力することにした。
やがて、ベンジャミンの計画を知ったジョーの父親や村人たちの協力もあって、ナチスの監視をかい潜って密かに計画は進められて行く。だが計画実行の日に思わぬアクシデントが起きて……。
原作は『戦火の馬』を書いた小説家マイケル・モーパーゴ。ユダヤ人の子らを村人たちが守ったという実話を小説化した。
ピレネー山脈の大自然の中、少年ジョー、村人たち、敵であるホフマン伍長(トーマス・クレッチマン)の行動がそれぞれの立場で思慮深く描かれていた。
少年ジョーを演じたノア・シュナップくんは美しすぎて牧童とか羊飼いのイメージの土臭さがなかった。公開されている『エイブのキッチンストーリー』の方がしっくりくる少年だ。同時期に主演映画が公開されるのもいいのか、悪いのか……。
🎬『ヒトラーに盗られたうさぎ』カロリーヌ・リンク監督、脚本/ドイツ/119分
1933年、ベルリンに住む9歳の少女は、父親が新聞やラジオで批判をしていることでヒトラーが選挙で勝てば粛清が始まるという忠告を受けて、平和な暮らしから過酷な逃亡生活になってしまう。
ドイツの絵本作家ジュディス・カーが少女時代の体験を、自伝的小説「ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ」を基に映画化したもの。
ベルリンからスイス、フランス、イギリスと逃亡する一家を、少女アンナ(リーヴァ・クリマロフスキ)の目を通して描かれている。いく先々で言葉の違い、生活様式の違い、お金や食物の貧しさ、いつベルリンの家に帰れるのかわからない不安、そんな中の苦しさがひしひしと伝わって来た。
★印象的なシーンはスイスの学校に初めて行った時、音楽の時間でヨーデルの練習用の曲を歌っていた。「へええ、ヨーデルを授業でやるのか、日本なら民謡のコブシといったところだろうか」と、面白く感じた。
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