2020年11月15日
「第14回田辺・弁慶映画祭」をオンラインで(2)『親鳥よ、静かに泣け』『愛のくだらない』
🎬『親鳥よ、静かに泣け』三浦克己監督 /72分
就職活動中の大学生駒田留美子(向後桃)は支配的な母親理恵子と二人暮らし。母娘家庭にしては庭付きの立派な一軒家に住んでいる。だが母親の仕事は……。
映画紹介文に「結婚詐欺」と書かれていたが、それは書かない方がいいと思った。母親がこっそりと娘にも内緒でお付き合いして生活費の足しにお小遣いをもらうのはままあることだが、これは娘にも「今度の就活でダメだったら仕事手伝ってよ」と言う母親にはびっくり。
娘も始めの何回かは封筒いりの現金をもらっていて、それを貯金して、こんな母親から独立してお付き合いしている男性と暮らしたいと思っている。そんな娘もおかしい。嫌ならすぐ家を飛び出して女友だちのところに避難して就職活動を続ければいいのに……映画にならないけど。
ちょっと首をかしげたくなる展開だったが、どんなことが目の前で起きようが動揺せず上品に落ち着き払っている母親も、娘のことになると「守り」と「大切な所有物」として血相が変わるのは、認めたくはないが「愛」なんだろう。
🎬『愛のくだらない』野本梢監督/95分/弁慶グランプリ受賞❗️(15日決定)
小さいテレビ局でアシスタントプロデューサーをしている33歳の玉井景(藤原麻希)は、同い年のヨシ(岡安章介)と同棲中。彼は売れない芸人だったが、今はスーパーの社員として働いているがほとんどやる気なくて「景が妊娠したら正式に結婚しよう」と言うばかり。忙しい景に代わって家事などは率先してやってくれるが……。
同棲中のヨシさんの独特な憎めないふんわりとした雰囲気、最高❗️
彼は彼なりの考えで「妊活」しているのもドラマとしての「変化球」になっている。今大活躍の女性監督・野本梢さんの底力をみた!
★田辺・弁慶映画祭のオンラインも観尽くしたいと頑張ったが1回のみの上映でそれにあわせて過ごすわけにいかなかった。1作品300円でも500円でも1日1000円でもいいから申し込んで24時間以内でなら見られるといいのにと、残念だった。
この記事へのコメント
コメントを書く