2020年11月09日

第33回東京国際映画祭2020(9)『ゾッキ』『滑走路』

ホテル暮らしが板?についてきたミッキー。雑事から離れられて「浮世」暮らしとでも言うかなかなか居心地がいい。これなら気に入った地(第1福岡、第2山形、第3東京)で月極でホテル生活もいいなぁなどとお得意の空想、妄想。

🎬『ゾッキ』竹中直人、山田孝之、齋藤工監督/113分

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人生経験のある祖父から「秘密は大切、たくさん持てよ」と言われて驚く女性、ママチャリでどこか旅でもと身軽な出で立ちで南に向かう男、自分に美しい姉がいるとひょんなことで嘘をついて、そのおかげで初めて友人ができた高校生男子、消息不明の父親と幼い時に体験したことを思い出している青年。

ミッキー地元・愛知県が撮影地。漫画家大橋裕之さんの故郷。それぞれが前触れもなくパッチワークのようにつながっている作品。

出演は松田龍平、鈴木福、満島真之介、ピエール瀧、吉岡里帆他。

★ ゾッキとは「寄せ集め」「ひとまとめにした」という古本業界で使われている。ひとまとめで売られている本。なるほど……そんな感じの映画だった。

🎬『滑走路』大庭功睦監督/120分

厚生労働省の若い官僚・鷹野(浅香航大)は激務の中で無力な自分に思い悩んでいて精神科に通っている。

そんなある日、非正規雇用が原因で自死したとされる人々のリストに、同じ25歳で自死した青年に関心を抱き、彼が死を選んだ理由を調べ始める。

一方、30代の切り絵作家・翠(水川あさみ)は、子どもを作りたいと思っているが夫との関係に違和感を抱いていた。

中学時代の親友を助けたために自分がイジメの標的なってしまった学級委員長(寄川歌太)は、シングルマザーの母(坂井真紀)に心配をかけまいと1人で問題を抱え込んでいた。

それぞれ悩みを抱える3人の人生は、やがてひとつになって……。

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32歳で命を絶った夭折の歌人・萩原慎一郎のデビュー作にして遺作となった歌集を基に、現代に生きる人々の苦悩と希望を描いた人間ドラマ。

『ゾッキ』と『滑走路』、同じ日本映画で現代を描いていても、脱力系の『ゾッキ』にどうしても気持ちが傾いてしまう。もう一度観たいと思うのが『ゾッキ』だ。

『滑走路』は1人の自殺によって残された者の悲しみ、後悔、苦悩が波紋の輪が広がっていくように描かれている。脚本もカメラも申し分ない力作。しかし観ていてとても辛かった。

自殺した子の母親(坂井真紀)が言う「息子のことを忘れずに、息子の分まで生きて」の台詞が深く響いた。

posted by ミッキー at 04:38| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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