🎬『異端の鳥』ヴァーツラフ・マルホウル監督、脚本/チェコ・スロヴァキア、ウクライナ/169分
ホロコーストを逃れて疎開した少年は、預かってもらっていた一人暮らしの叔母が病死。行き場を失い1人で旅に出る。行く先々でよそ者とみなされてひどい仕打ちを受けながら、なんとか生き延びようと必死に旅をするが……。
映画チラシが出回ってから、見るたびにゾワゾワっとして居心地が悪かった。だから試写室でもらうまで一枚も触らなかった。一生、忘れられないチラシ。公開が待ち遠しいとは思わなかった。もう観なくてもチラシがすべてを語っていたからだ。
モノクロ作品にはほとんどといっていいほど「色」を感じるが、この作品は常に「モノクロ」を強く感じた。映像は少年自身の目で、少年の受ける差別、暴力に色を与えたくなかったのだろう。
169分の辛い旅も最後にガラスに自分の名前(だと思うが)を書くが、その一瞬でこの映画に「色」が宿ったように感じた。
★ 去年の東京国際映画祭では『ペインテッド・バード』のタイトルで「鳥の群れの中に一羽の白い液を塗りたくった鳥を空に放つ」シーンがあった。どのようにして撮ったのか監督さんに聞いてみたい。
🎬『チャン・クイン』ドゥク・ティン監督/ベトナム/84分/イオンシネマ名古屋茶屋にて
頭脳明晰なクイン(クォック・アン)は学問の師匠であるドアン先生の娘・ディム(ニャー・フーン)に恋をする。一方、幼い頃、同じくドアン先生に師事していた王の子弟であるチン・バーは権力でディムを自分の妻にしようとするが彼女に拒まれてしまう。
激怒したチン・バーはドアン先生に無実の罪を着せて牢獄に入れてしまう。クインとディムは先生の無実を証明しようと親友のサム(チャン・タン)と共に公平な裁きを求めるが、チン・バーと癒着している役人によって阻止されて、クインとディムも捕らえられてしまう。
そんな中、サムの助けで2人は牢獄から抜け出し、3人の逃亡劇が始まる。
うーん、微妙なベトナム映画だった。子ども向け?と思ったがけっこうエロシーンもある。大人にはちょっと物足りない出来。コメディー度も高くないので中途半端なベトナム映画、とっても長く感じた。
★初日初回、観客はミッキー入れて2名。
2020年10月09日
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