2020年09月19日

4人の監督が「売れない女優・マチコ」を連作 9月25日公開『蒲田前奏曲』

昨日、ベネチア国際映画祭で黒沢清監督が銀獅子賞(監督賞)を受賞した『スパイの妻』の試写があった。試写参加もメールだったが満員だった。一つおきの椅子でも試写で満員は名古屋では初めてだろう。

さて映画は蒼井優主演だが夫役の高橋一生がとても良かった。

蒼井優と高橋一生は今年の初めに『ロマンスドール』で共演している。

ストーリーは
一目惚れをして結婚した園子(蒼井優)と幸せな日常を送りながら、ラブドール職人であることを隠し続けている哲雄(高橋一生)。
仕事にのめり込むうちに家庭を顧みなくなった哲雄は、恋焦がれて夫婦になったはずの園子と次第にセックスレスになっていく。
いよいよ夫婦の危機が訪れそうになった時、園子は胸の中に抱えていた秘密を打ち明ける……。

というものだがミッキーはこちらの共演の方が息が合ってたように感じた。

🎬『蒲田前奏曲』117分

蒲田に住む売れない女優マチ子を軸に、マチ子の周りの人間模様を通して「女」や「女優」に世間が何を求めているかを皮肉を込めてコミカルに描いている。

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第1番「蒲田哀歌」<大過去> 中川龍太郎監督

映画のオーディションとラーメン屋のアルバイトの毎日で疲れ果てている無名女優のマチ子(松林うらら)は、仲の良い弟(須藤蓮)から思いがけなく彼女ができたと言われ驚く。バイト先のラーメン屋に突然弟と一緒にやってきた彼女・節子(古川琴音)は今どきの女の子とは思えないほど日本語がきれいで、涼やかな目元の美しい少女だった。

生活に追われたマチ子が節子に女性の本当の美しさを見て女優としての在り方を考えさせられる。その節子はラーメンのおかわりをする。「食べられる時に食べておかないと」という。

そう、節子はここ蒲田で1945年4月15日の空襲で死んでしまった少女だった。節子役のキリッとした表情の古川琴音。モーツァルトの歌曲「春への憧れ」の選曲が効いていた。

第2番「呑川ラプソディ」<現在>穐山茉由監督

ラーメン屋でアルバイトをしながら女優をしているマチ子(松林うらら)は大学時代の友人5人と久々に女子会をする。独身だったり、結婚していたり、もうすぐ結婚と、話が合わずギクシャクして来た。そこでマチ子は黒湯の蒲田温泉に行こうと提案する。

そこで偶然に「実は結婚が決まって」と喜んでいた女子の彼氏が他の女とこの温泉で食事をしていたのだ。で、その相手の女はマチ子のバイトするラーメン屋の常連で……と言う話。

伊藤沙莉さんは女子グループのアネゴ的存在で、女一人で生きていく❗️と息巻いていた。

第3番「行き止まりの人々」<過去とトラウマ>安川有果監督

映画のオーディションを受けたマチ子(松林うらら)は、セクハラの実体験やエピソードを演技をつけて話すという内容のオーディションだった。セクハラなどは経験済みだったが思い出すのも嫌でうまく演技が出来なかった。マチ子の隣に座った女性は切迫した演技をする。マチ子は彼女と共に最終選考に残ったが……。

うまく演技した女優はオーディションを審査した映画監督にセクハラされたことがあって「思い出させる」ように演技をするが、監督はそんなこと、とうに忘れていたと言う話。

第4番「シーカランスどこへ行く」<未来>渡辺紘文監督(大田原愚豚舎)

マチ子の実家は大田原にある。大田原に住む親戚の小学5年生のリコ(久次璃子)は、大田原のとある映画の撮影現場にいる。とある監督(渡辺紘文)が撮影現場にやってきて、撮影が遅れていますが、どうかお茶でも飲んでお待ち下さいと低姿勢で誤りにきた。

いつもの口調でペラペラと東京中心の映画業界や日本の社会批判を、まるでリコちゃんを一人前の女優さんと認めて語っていた。大音量で数秒間ビバルディの四季「春」が鳴った。

posted by ミッキー at 12:45| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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