自閉症の子をケアする施設「正義の声」を運営するブリュノ(バンサン・カッセル)は、他の施設で見放されたり、断られたりした子たちを受け入れていた。そこではブリュノの友人のマリク(レダ・カティブ)に指導された若者たちが働いている。
社会からはじかれてしまった子どもたちを救おうとしていたブリュノとマリクだったが、無認可でやっていて赤字経営の「正義の声」に監査が入ることになり、施設閉鎖の危機に迫られ……。

『最強のふたり』のエリック・トレダノ、オリビエ・ナカシュ監督がケア施設に働く2人の男たちの実話を基に描いたヒューマンドラマ。
頭が下がった。ブリュノののんびりしている姿はほぼなくて、いつ寝ているのか、いつご飯を食べているのかわからないくらい自閉症の子らの面倒をみて、話を聞いている。寄り添ってという生半な言葉以上の行動だ。
ドキュメンタリーにして俳優を使わずに本人さんを使うのも「あり」とおもったが、2時間以内で「どんなに大変」かを知らせるためには、俳優さんに演じさせた方が説得力があったと感じた。
ブリュノが監察官に「いつでも閉鎖するから、40人全員収容するところに連れて行ってくれ」と一人ひとりの病例や癖などを大声で叫ぶシーンがあった。
その子らに深い愛情がないと言えない台詞で身体が熱くなった。
★最後の字幕で現在の状況も知ることができ、ご本人たちも登場。最後まで席を立てない感動作だった。