生まれつき耳の聞こえない私「今村監督」と、アスペルガー症候群で小学校の給食に従事している林政世さんこと「まあちゃん」。お付き合いしてからいろいろな「?」が原因で、監督の気持ちがイライラしたり、モヤモヤしたり……。

これはチケット完売で日本初上映だから期待して観た。監督さんのドキュメンタリーは『珈琲とエンピツ』『架け橋 きこえなかった311』『start line』を観ているが、背伸びしない等身大のドキュメンタリー作りに好感を持っていた。
しかし今作も面白いけど「荷」が重たかったのでは?と感じた。
撮る側、撮られる側のバランスが微妙で、圧倒的にまあちゃんが役者が上で強靭さは生半なものではない。監督さんはその強さを制御できなくなった時、カメラを止めている部分があった。止めた先がドキュメンタリーそのものであったはず。
まあちゃんの話ぶり、気持ちの起伏、それが「全部まとめて個性」。改めてアスペルガーとはなんぞや……と考えさせられた。
★監督さんは最後に「実はまあちゃんにはこの作品をまだ見てもらっていない」と言った。驚いた。そんなこと許されるのかミッキーにはわからないが釈然としなかった。