🎬『ジョーンの秘密』トレバー・ナン監督/イギリス/101分/伏見ミリオンにて
夫に先立たれ仕事も引退したジョーン・スタンリー(ジュディ・デンチ、若い時代のソフィー・クックソン)は、イギリスの郊外で静かに暮らしていたが、2000年5月に突然ジョーンは突然、MI5に逮捕されてしまう。
50年以上も前に、核開発の機密情報をロシアに流したというスパイ容疑だった。ジョーンは無罪を主張するが、死亡した外務事務次官のW・ミッチェル卿が遺した資料から、彼とジョーンがロシアのKGBと共謀していた証拠が出てきたのだ。
彼女の息子で弁護士のニック(ベン・マイルズ)も、母親から聞く驚くべき真実に驚愕するばかりだったが……。
スパイ容疑で逮捕された80代の老女の数奇な人生を元にしたジェニー・ルーニーのベストセラー小説「Red Joan」
前知識なしで観てびっくり。広島、長崎の原爆に関係する映画とは思いもよらなかった。日本人にとって素通りできない作品だった。
ケンブリッジで物理を学んだジョーンは、マックス・デイヴィス教授(スティーヴン・キャンベル・ムーア)に見込まれ、政府の研究機関に秘書として採用されたが、核兵器の開発が極秘の職務だった。
しかし原子爆弾の圧倒的な破壊力をニュースで見た彼女は、自分がそれに加わっていたことにショックを受けて、その上で原爆の資料を持ち出す行動にでたのだ。その波乱の人生を恋愛問題を絡めて描かれている。
★実在のソ連のスパイだったメリタ・ノーウッド(コードネームはHola)を調べてみた。
1912年に生まれて2005年93歳で亡くなった。80代の時にKGBの元スパイだと判明。原爆の資料をソ連に渡したことを認めたが、高齢のため不起訴処分だった。亡くなるまで、自分のしたことを決して後悔しなかった彼女はソ連政府から勲章を受け取っている。
2020年08月08日
この記事へのコメント
コメントを書く