他の客は遠巻きに見て眉をひそめていたが、その店の店長らしき男の人に二回も注意を受けていた。でも声はものの5分ほどで元通りになって、入って来た一組の客は席が近くしかないので店を出ていったり、ドリンクバーに行くのも遠回りで行く人もいた。
2割引きだから高い目のを頼んだが気持ちが落ち着かなくてゆっくり味わえなかった。
🎬『剣の舞 我が心の旋律』ユスプ・ラジコフ監督、脚本/ロシア、アルメニア/92分

1942年の冬。作曲家でチェロ奏者でもあるアラム・ハチャトゥリアン(アンバルツム・カバニャン)は、レニングラードのバレエ団と共にモロトフへの地で演奏活動をしていた。
彼は故郷アルメニアでの記憶をもとに作曲したバレー曲『ガイーヌ』の初日が迫っていた。だがソビエト政府は筋を書きえるよう要求してきた。その要求の発端は、かつての同僚プシュコフ(アレクサンドル・クズネツォフ)だった。彼はバレエ団の花形女性ダンサー・サーシャ(ベロニカ・クズネツォーバ)をものにしようとしたり、ハチャトリアンの失脚を目論んだりしていた。
あの有名なハチャトリアンの剣の舞、その誕生秘話だが、直前まで「最終部分」があと8時間に作曲できても、踊る人たち、オーケストラの人たちはコピー機ももちろんない時代にどうしたんだろうと思う。で、いろいろ調べてみたら「ガイーヌ」最後の2分間を付け足したと書いてあった。まあ2分ならやれたかと納得した。
踊り場面は言うまでもないが、ミッキーが驚いたのは、
ハチャトリアン、ヴァイオリンニストのオイストラフ、作曲家のショスタコーヴィチの3人が揃う場面。ごった返す市場のようなところで国の批判的なことを小声で話していたが、ここで演奏しようとなってオイストラフたちが ヴァイオリン、チェロなどで民族性たっぷりの演奏をしていた。オイストラフさんはヴァイオリン、ビオラの世界で五本指に入る名手。俳優さんも上手く聴き惚れた。
このシーンで、同じ芸術家であり仲間でもある3人がこの時代をどう生き抜いて世界的な音楽家として活躍できたのか知りたくなった。