一昨日、昨日とシネマジャーナル在庫調べをした。焚き火にしたいくらいたくさんある号から希少号まで整理できた。どこの箱に何号とどの角度からも見えるように紙をペタペタ貼って、それを写メして、こんな良い時間つぶしはない。
夕方にはシネマジャーナル103号が配達された。最後の仕上げはいつも東京スタッフにお任せなので大きな口はたたけないが来年も頑張りたいと思っている。
🎬『その手に触れるまで』ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督/ベルギー、フランス/84分
ベルギーで暮らすアラブ人の母子家庭で育った13歳の少年アメッド(イディル・ベン・アディ)はゲームに熱中していた普通の少年だったが、このところ、兄と一緒に行く小さな礼拝所の導師にイスラム教のコーランを教えてもらい、その教義に夢中になっていた。毎日時間になると礼拝をするまでになった。
やがて学校の女性教師をイスラムの敵だと考えはじめた彼は、導師に言葉によって先生を抹殺しようとするが……。
薄幸な少女を主人公した『ロゼッタ』、妻の産んだ赤ん坊を売ろうとした夫『ある子供』で2度のパルム・ドールを受賞、『少年と自転車』ではグランプリを受賞したダルデンヌ兄弟監督。この新作ではカンヌの監督賞を獲得している。
ダルデンヌ兄弟監督作品はミッキー年代には身にこたえる辛さがある。でも最後は「辛かったけど、希望があった、観てよかった」と思う作品だ。
今作も母子家庭ではあるが母親は少年を放任していない、女教師も少年を心配して力になってくれる、農場で仲良く話すようになった女の子も良い子だ。でも少年が心を閉ざして受け入れない状態の時には周りは空回りするだけだ。
導師の取った行動、言った言葉が純真な少年にとって危険なものだった。そういえばインド映画『ホテル・ムンバイ』でも洗脳された少年たちがテロを実行した。首謀者がまだ捕まっていない。
2020年05月16日
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