「島根あさひ社会復帰促進センター」は警備、職業訓練を民間で行う新しい官民協力の刑務所。個々に持たされたICタグと監視カメラで受刑者を監視するシステム。入っている人数は男性ばかり2000人で重罪(殺人など)はなく、窃盗や詐欺、強盗傷人、傷害致死の罪が多い。
受刑者同士の対話をベースに犯罪の原因を探り、更生を促す「TC(Therapeutic Community=回復共同体)」というプログラムを導入している日本で唯一の刑務所。

その内部にカメラを向ける監督は取材許可を6年の月日を費やして許可をもらい、それから2年の撮影期間を経て完成させた。
もちろん顔はモザイク、なまえは伏せてあるが訥々と自分のことを話す内容に驚くとともに、ほとんどの人が親との関係が破綻している場合が多かった。
グループで自分の犯罪に関して話するうちに「罪悪感」とか「悪いことをしている」という実感が「ない」と言い切る人もいた。「俺はいろんな差別、暴力に晒されて生きてきた、これぐらいならしてもいい!仕返しだ!」と思って悪事を悪事と思わずにやったと言っていた。
自分の心に沈んでいたドロっとしたものを人に言う、聞いてもらうという行為がどんな結果になったか……は、(風邪もひいてないのに咳が出て迷惑かけられないので、退場したから)分からずじまいだ。トホホ