2020年03月01日

2019年ベストテン【名古屋のミニシアター シネマスコーレのスタッフ伊藤新吾さん】

久しぶりにシネマスコーレにて新作3D作品のロードショーが決定しました。
2020年3月14日(土)より中国映画界にあらわれた期待の若手監督、ビー・ガン監督作品
『ロング・デイズジャーニー』3D字幕版が公開予定です。
 
 2019年ベスト10
 
1位『ミスター・ガラス』
2位『空の青さを知る人よ』
3位『ジョン・ウィック:パラベラム』
4位『サマー・オブ・84』
5位『アラジン MX4D 3D版』
6位『惡の華』
7位『半世界』
8位『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム IMAX 3D 字幕版』
9位『移動都市 モータル・エンジン 字幕版』
10位『ヒックとドラゴン 聖地への冒険 吹替版』
 
※下記ネタバレを含む箇所がありますのでご注意ください。
 
第1位 ミスター・ガラス
 『アンブレイカブル』(米公開00年/日本公開01年)から『スプリット』(17年)を経て19年。この3部作は幕を閉じる。M・ナイト・シャマラン監督は常に自身が手がける斬新なオリジナル脚本で勝負を仕掛ける才人。物語のチカラを信じる人だ。それはこの物語で自身がヒーローであると確信し続けるダン(ブルース・ウィリス)の姿と重なる。監督の代表作『シックス・センス』(99年)から20年。『ミスター・ガラス』は監督の1つの集大成というべき入魂の一作となっていたと思う。次回作でどのようなステップに踏み出すのかとても楽しみ。
 
 
第2位 空の青さを知る人よ
 両親不在の姉妹、姉は妹を大切に思い、音楽で東京に出ようする彼を追うことはなく、この地で姉妹での暮らしを選ぶ。それから13年後。姉の思い、妹の思いとは?そんな日常に高校時代の彼が時間、時空を越えて現れる。時を同じくして現在の彼も東京からこの地に戻ってくるが・・・人気シンガーあいみょんが唄う劇中歌も映画と同タイトルの『空の青さを知る人よ』。この曲が作品内で使用されるシーンは映像の飛躍、感情の爆発、作品に寄り添うかのような歌とその歌詞。とても見事な一体感で感情に迫ってきた。感動的な姉妹の物語とすこし不思議なラブストーリーがアニメーションで展開する。
 
 
第3位 ジョン・ウィック:パラベラム
 主演キアヌ・リーブスの代表作のひとつ『マトリックス』(99年)は2019年で公開から20周年。そんな彼は今作でさらに進化したアクションを披露!シリーズ3作目でついにかつて所属していた組織に立ち向かうことになり、世界を駆け巡る逃亡劇が展開する。逃亡には摩天楼を馬で駆け抜け、華麗なアクションにも闘犬をカンフーと組み合わせるなど、斬新で視覚的にも楽しい。迫る組織からの刺客はニンジャ!に完全武装の軍隊が!!クライマックスでは聖域コンチネンタルホテルでド派手に破壊の限りを尽くす。アドレナリン全開の展開がまっている!
 
 
第4位 サマー・オブ・84
 隣人が連続殺人鬼かもしれないと疑う少年たちと、賢い隣人の男(本当に連続殺人鬼)との攻防戦が見応えタップリに描かれる。音楽も80年代風のシンセサイザーを駆使したサウンドが懐かしさを誘う。クライマックス、殺人鬼は逃亡し、仲間の少年の一人が殺害されるシリアスな展開に。心トラウマを抱える主人公。興味本位で隣人を疑いはじめた彼には相応の痛烈な結末が待ちうけていた。ここまで描かれているのが印象深い。
 
 
第5位 アラジン MX4D 3D版
 オトコだらけの泥臭い物語にエッジの効いた編集を得意とするはガイ・リッチー監督が描く実写版アラジンは主人公アラジン(メナ・マスード)とランプの魔人ジーニー(ウィル・スミス)の友情の物語が色濃く浮かび上がる仕上がりに。色あせない名曲とともに魔法の絨毯のシーンは鮮やかにMX4Dで体感型へと進化され、ファン待望の魔法の絨毯に乗るという夢を実現させる。ディズニーの2019年流エンターテイメントが炸裂している。
 
 
第6位 惡の華
 井口昇監督は最新作で『片腕マシンガール』(08年)からはじまった刺激的な路線を経て、原点回帰をはたした作品を完成させた。原作、押見修造のダークな青春物語を脚本化したのは岡田麿里。『空の青さを知る人よ』に続きステキな青春の物語を完成させた。主演の1人、仲村佐和を演じる玉城ティナがとにかく魅力的だった。劇中ではコロコロと態度を変え、多彩な表情を見せる。監督のこだわりが見えるコスチュームのバリエーションにも注目。彼女はクラスのマドンナの体操服を盗んだ春日(伊藤健太郎)の一部始終を目撃し、彼を精神的な支配下に置く。彼女は彼にマニアックな無理難題を科し、後戻りが出来ないところへ魅惑的に引き込んでいく。
 
 
第7位 半世界
 本作品の温かくて魅力的な登場人物たちの日々が描かれる脚本は阪本順治監督のオリジナルによるもの。30代後半を迎え、人生の折り返しを迎えた3人の男たち(稲垣吾郎、長谷川博己、渋川清彦)が学生時代以来の再会を果たした。彼らの考え方、行動のどこかに納得するポイントが数々登場し考えさせられる。どこか懐かしい風景は三重県でのロケーションによるもの。クライマックスのある人物の死は唐突なようでも、作品の展開と結末にはあり!と思い、不意に泣けてしまった。
 
 
第8位 スパイダーマン ファー・フロム・ホーム IMAX 3D 字幕版
 今年の3D映画NO、1 ホログラムを操るヴィラン、ミステリオ(ジェイク・ギレンホール)がスパイダーマン(トム・ホランド)に仕掛ける罠の数々が視覚的にとても3D向いていた。鑑賞中その没入間は半端ではなかった。アベンジャーズ:エンドゲーム(19年)のラストからそのまま続く物語は感傷的でありながらも今のスパイダーマンらしい恋に悩み親友とは悪ふざけをし、仲間とともに敵と対峙する。爽快な青春の物語にシフトしてゆく。スパイダーマンシリーズは本当に3Dがハマリます!
 
 
第9位 移動都市 モータル・エンジン 字幕版
 大予算をかけて同名の冒険小説を映画化した作品。主人公の生い立ち、仲間との出会い、大冒険、別れ、裏切りや陰謀。個性的なアイテムと懐かしいテレビゲームRPG作品群を思わせるストーリー。この作品は鑑賞中にゲームでよく遊んでいたときを思い出させてくれてくれた。映画ならではのダイナミックなビジュアルは必見!ピーター・ジャクソン監督のもとストーリーボードなどビジュアル面で腕を磨いたクリスチャン・リヴァースの長編初監督作品。次回作も注目してみたい。
 
 
第10位 ヒックとドラゴン 聖地への冒険 吹替版
 バイキングのヒックとナイト・フューリー(ドラゴン)のトゥースの種族を超えた友情を描いた作品の映画3作目にして完結編。1作目が日本公開されたのが2010年。2009年の公開作『アバター』で3Dブームが起きた際に飛び出る3Dアニメーションの最高峰の一作として『ヒックとドラゴン』は公開された。それから9年、素晴らしい視覚効果と感動的な物語の融合はシリーズ3作目でも強靭な完成度。今作ではそれぞれの成長と前向きな別れというお互いの最高の未来へ繋がる結末が描かれる。
 
※ 2019年内に劇場鑑賞した作品の中から選びました。
 
posted by ミッキー at 03:13| Comment(0) | ベストテン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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