🎬『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』クラウス・ハロ監督/フィンランド/95分
年老いた美術商オラヴィ(ヘイッキ・ノウシアイネン)は家庭も顧みないで画商の仕事一筋に生きてきた。大手の画商が幅をきかす時代になり、資金繰りもうまく行かず、もう店を閉める時期かと思う時もあった。
そんなある日、音信不通だった娘レア(ピルヨ・ロンカ)から、問題児の孫息子・オットー(アモス・ブロテルス)の「職業体験」という必須科目のため数⽇画廊を手伝わしてほしいと言ってきた。自分だけでもカツカツの生活や時間がない時に孫など預かれないと断ったが……。
監督さんは『ヤコブへの手紙』の方。(これも良かった。DVDで是非ご覧いただきたい)
穏やかな中、じんわ〜りと伝わって来て、そのじんわりさがずっと残っている名画(名画と絵をかけて)。
老父と娘の確執も老父と孫息子の関係も常識の範囲だし、距離感も頷ける。それでいて絵画業界の裏側、老画廊主(老父)の一枚の肖像画にかける情熱等々、納得させてくれて、そして感動も与えてくれた。
前宣伝あまりなくて地味な出だしだったがきっと観た方の口コミなどで広がっていく作品と思う。
2020年02月28日
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