🎬『サイコビッチ』マーティン・ルン監督/ノルウェー/109分/日本初上映
中学3年の息子マリウスは「褒めて励ます」両親の元で育った。学業も行いも良くて教師からの信頼も厚く、同級生からも慕われていた彼だった。彼の発案でペアを組んで勉強しようの意見に皆が賛成してくれた。彼にはペアを組みたい女の子がいたが、担任の教師が彼を個別に呼んで「反抗的な生徒フリーダと組んでくれないか」と頼まれてしまって……。
どこからみても中学生に見えないノルウェーの中坊たち。何もかも正反対の「男の子女の子」の織りなすアニメ原作の映画を山と観ているが、これは家族、友人たちが深く絡み合っている。
マリウスは友人から「あんな女の子と親しくして」と思われないかと心配したり、ほめ殺し両親に芽生える反抗心などが赤裸々に描かれていた。
女の子は自殺未遂をした過去があったが、親しくなったマリウスに「自殺しようと思った理由が一つだけなら、そんなことしなかった」と言っていたが、フリーダの家庭からはその原因を伺うことはできなかった。
🎬『HARAJUKU』エイリーク・スヴェンソン監督/ノルウェー/83分/日本初上映
母子家庭の15歳の少女ヴィルデは日本のアニメに夢中で、夢は東京、特に原宿に行くことが一番の希望だった。だが、クリスマス・イブに母親が自殺したことによって1人になってしまう。まだ未成年なので施設に行くか、小さい時に別れた父親のところに行くかの選択に迫られた。その父親に連絡するが……。

ヴィルデはその日友だちと遊びに行くためにおしゃれしてお化粧して、ママとの会話や雰囲気も良かった。なのに友だちとおしゃべりしているところに突然警察官や保護司の人がきてママの自殺を知った……これだけでもすごいショックなのに、知らない大人たちに囲まれて判断を迫られて、彼女はそこから逃げ出すのだ。
まだ15歳。(あ、すぐ前の映画もノルウェーの15歳だった。ラインナップの並べ方が良いのか悪いのかわからないが)意外な行動をとるが、この年齢なら仕方ないと思ったが、その行動が無謀すぎたので、そのことが気になって気になって映画に集中できなかった。
孤独と苦しみを抱えた主演の女の子も良かったし、父親の家族の様子もちゃんと描けていた。特に夢や想像の部分がアニメになっている作りにはハッとさせられた。
★2019年 アマンダ賞:編集賞、サウンドデザイン賞等々を受賞している。