年末27日公開の『男はつらいよ 50 お帰り 寅さん』 お正月映画だが気に入らないところが2つある。
1 最初、歌っている有名歌手がなんだかしっくり来ない。最後に歌う寅さんの歌声、歌心に痺れるが最初に「お帰り」雰囲気を満たしてほしかった。かと言って最後にも有名歌手には歌ってほしくない。
2 映画中、満男(吉岡秀隆)の亡き妻の七回忌で親族が集まる。亡き妻の父(小林稔侍)も駆けつける。年老いた義父が帰る間際に「先のことも考えて再婚したらどうか」と心配して言うと不平顔をする満男。皆が見送る中、満男だけは行かない……ミッキーはその時、こいつ、小説家だと言ってるがどんな小説を書いてる?こんな大人げない男の書いている小説、読みたくない! と怒りがわき起こった。
憮然とした気持ちを隠して、先頭でタクシーに乗る義父を見送るべき立場じゃないか?寅さんなら「東京駅の新幹線のホームまでお見送りしろ」と言うに決まってる。生きていたら殴られるぞ!
お正月映画に水をさすつもりはない。2つ以外は観て楽しめる作品で過去の寅さんシリーズからうまく映像を取り込んでいた。
話は変わって、どうしても観たいドキュメンタリーが二つある。『葛根廟事件の証言』と『気候戦士〜クライメート・ウォーリアーズ〜』 明日はラピュタ阿佐ヶ谷のモーニングショーで『大当り三色娘』これをもって日本での映画は打ち止め予定。
🎬『葛根廟事件の証言』田上龍一監督/74分/池袋シネマ・ロサにて
太平洋戦争が終結する前日、旧満州から日本に引き揚げようとしていた日本人の一団が、旧ソ連軍の襲撃によって1千人以上も殺害された「葛根廟(かっこんびょう)事件」の真実に迫るドキュメンタリー。
映画は、人間の喜怒哀楽を写し鏡のように訴えてくれる。それと同時に自分の「無知さ」も教えてくれる。映画はミッキーにとって「教室」だ。そう強く感じたのがこのドキュメンタリーだった。
若い監督さんが上映後にロビーで待ち受けていらっしゃった。観客の方は皆ミッキーを含めお年寄りばかりだった。監督さんの周りに集まって口々に「ありがとうございました」と感謝の気持ちを表していた。
生きて無事に日本に帰国でき証言された方は当時少年少女だった。目前で肉親の死を見た子、中国の養父母に育てられた子、その経験を語る一人ひとりの表情には、自分だけが生き残った「後ろめたさ」を吐露する方も多かった。
★このドキュメンタリーの上映は今週で終わると聞いたが、ひとりでも多くの方々に観ていただいて、この「事件」の風化をふせぎたいと願った。
★予定していた『気候戦士〜クライメート・ウォーリアーズ〜』はやめた。
2019年12月23日
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