🎬『キューブリックに愛された男』アレックス•インファセッリ監督/イタリア/82分/2016年
F1レーサーを目指していたイタリア移民のエミリオ・ダレッサンドロさんは、ロンドンではレーサーの仕事がなく、タクシー運転手をしていた。ある出来事でキューブリック監督に運転技術を見込まれて専任運転手として屋敷に住まうが、運転はもとより屋敷内のほとんどの雑用に忙殺される日々となって……。
見たからに人の良さそうな「いや」とは言わない雰囲気の方。
彼はキューブリックに使えた時代の自分宛のメモ類などを納屋の専用棚に整理されていた。
例えば「猫の薬を取りにいってくれ」「机の下にある荷物は明日早朝に運んでくれ」など雑事に追われ、エミリオさんが結婚して離れて暮らしている時は電話がひっきりなしで「妻が自分の電話ができないから困っている」と伝えると当時珍しいホットラインを引いてくれたという逸話もあった。
だがエミリオの息子が父親の夢を受け継いでレーサーになったが事故で瀕死の時、キューブリック監督はよい外科医や病院を紹介するなど心からの親切もしてくれたと感謝していた。エミリオさんも30年のお付き合いでなかなか辞めることが出来なかった。
★このドキュメンタリー以外にジョン・ロンソン監督の『キューブリックの秘密の箱』もあると知った。一人の映像作家がキューブリックの家を訪ね、1000個以上ある箱を手掛かりにスタンリー・キューブリックとは何だったのかを見つけようとする作品。監督はファンレターを好意的である物と否定的である物を区別して整理していたらしい。
2019年11月24日
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