2019年10月13日

山形国際ドキュメンタリー映画祭2019(2)『放つ』『ホセイン・ヤハリ』『借家』

昨日は楽ワン・ビン監督の超長編『死霊魂』506分の途中で「緊急防災メール」が一斉に入り騒然となった。また、楽しみにしていた夜8時半からの『東京干潟』が上映中止となってしまった。新幹線も止まり、映画祭に来ていた東京の方は帰れず、ホテルは満杯状態。

5人ほどの男子学生?グループは「駅の待合室で朝を待とう」や携帯片手に連れの人に「すっごい高いけど泊まる?」などと聞いていたカップルなど大層困っていた。

山形国際ドキュメンタリー映画祭2019(2)『放つ』『ホセイン・ヤハリ』『借家』

🎬『放つ』ナセル・タグヴァイ監督/24分/1971年/イラン60sー80s作品

イラン南部のとある町に住む少年ダダはきれいな赤い金魚を手に入れた。その金魚がもとで喧嘩になってダダは友だちのマシューを傷つけてしまう。

短いながら生き生きとした作品だった。マシューの親が怒鳴りこんできて、ダダは納屋に金魚鉢と共に閉じ込められてしまう。

金魚は何回も鉢から出てしまうのを見て「自分の閉じ込められた」状態と一緒だと気付き、傷つけたマシューの協力を得て、元いた海に金魚を戻しにいく……飾り気のない風景の中でも少年の行いに心を奪われた。


🎬『ホセイン・ヤハリ』ホスロ・シナイ監督/17分 /イラン60sー80s作品

古びた家に一人で暮らす有名ネイ奏者の老人。幼い時に奉公に出された彼はお使いを頼まれた時にネイ奏者を中心とする楽団に聴き惚れてお使いを忘れていた。あまりに帰りが遅いと雇い主に見つかりこっぴどく叱られた。それでももう一度聴きたいと店が終わってから楽団を見に行ったらネイ奏者から「さっき怒られてたな。これをあげよう」と言ってネイをもらった。そんないきさつでネイ奏者になった。

ネイは尺八の音に似ていて懐かしい音色だった。特徴はパイプを口の端にくわえるように吹いていることだ。


🎬『借家』エビラヒム・モフタリ、ケイヴァン・キアニ監督/42分/1982年/イラン60sー80s作品

パフラヴィ王制末期に決められた借家法によって「大家の要求でいつでも住民を立ち退かすことが可能」で、革命後もその法律は施行されていた。大家が住民に立ち退きを迫る様子、住民の強い反発、役所の担当者との交渉の一部始終を捉えている。

勢いがあって面白い作品だった。

「いますぐ出ていくわ、みんな外に出して、家具を傷つけたらただではおかない!」と役人に言い放つおばさんがいた。大家も住民も一歩も引き下がらない様子を見て、日本人にはない粘り強さ、悪い言葉だが「開き直り」が強烈なことだ。

★この作品はイラン・イスラーム革命直後に製作された都市の住宅事情をテーマにしたテレビシリーズの1本で、この作品で「借家法」が改正されるきっかけとなった。



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posted by ミッキー at 14:07| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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