1928年のロンドン。陽気な牛乳配達人のアーネスト(声:ジム・ブロードベント)は、生真面目で働き者のメイド・エセル(声:ブレンダ・ブレッシン)と廻り合い、結婚する。数年後に一人息子レイモンド(成人時の声:ルーク・トレッダウェイ)にも恵まれる。
そんな慎ましい幸せな生活も戦争の不気味な足音が聞こえる中で、愛するレイモンドを学童疎開させたり、鉄の門扉を国に供出したりと辛い日々が続く。だが二人はお互いに思いやって過ごす。

原作は「スノーマン」で知られるレイモンド・ブリッグズが自分の両親をモデルに描き上げた実話。二人が出会った1928年から亡くなる1971年までの約40年間を描いている。
チラシに「普通を懸命に生きたすべての父と母へ」と書いてあった。そのとおりだ。これを日本やアメリカなど他の国の同じ時期にに置き換えても普遍的な庶民の生活だろう。
夫のアーネストは器用な人で、あれこれもらってきては工夫をして家の中を便利に作り変えていく。奥様はちょっと負けず嫌いだけど、夫や息子に惜しみなく愛を注いでいる。
心が洗われるようなアニメ作品で、自然な筆使いが気に入った。エンディング曲をポール・マッカートニーが作曲、そして歌っていると後から知った。聴いた時は映画に合っていて穏やかな曲だと感じたが、もう一度聴いてみたくなった。
★初日プレゼントの英国紅茶を初日じゃないのにいただいた。嬉しい。
