舞台はインド・ムンバイのダラヴィ地区にある広大なスラム街。そこに住むイスラム教徒の少年ムラド(ランヴィール・シン)は、雇われ運転手の父(ヴィジャイ・ラーズ)と母(アムリター・スバーシュ)と弟、祖母と共に狭い家で暮らしていた。 両親はこんな生活から抜け出すためにムラドを大学に通わせている。だが、父が第二夫人をむかえたことで家庭に波風がたつ。
大学では医学部のサフィナ(アーリアー・バット)と13歳から付き合っていた。彼女は同じイスラム教徒でも裕福な一家だった。付き合っていることは両家には内密にしていた。
そんなある日、大学のキャンパスでラップのコンサートを聴いて一瞬で惹き付けられた彼はすぐに歌詞をかいて、その時歌っていたMCシェール(シッダーント・チャトゥルヴェーディー)に見せると、「お前の言葉でなんで俺が歌うのか?自分で歌え」と言われて……。

インドで活躍する実在のラッパー、Naezyの半生を基にしたサクセス・ストーリー。主演のランヴィール・シンさんは、インド映画界の人気スター。ラップもすべてご本人が熱唱している。
ムンバイのスラム街だがムラドの家はそう悪くはない。だって第二夫人をめとるぐらいだから。だが外はすさまじく貧しく荒れていて、言い方は悪いが街全体が「生ゴミの捨て場」といっても過言ではない。
実際に今は超有名なラップミュージシャン・Naezyのそれこそ実生活、実体験だ。インド社会の不平等があらゆる立場から描かれている。