🎬『ジョーカー』ドット・フィリップス監督、脚本/アメリカ/122分/10月4日よりユナイテッド・シネマとしまえん他にて全国ロードショー公開
1981年、コメディアンを目指しているアーサー(ホアキン・フェニックス)は、大道芸の手配会社に所属しているが、やる仕事といえばピエロ姿で宣伝用の看板をもって都会の片隅で見せているだけ。
古いアパートに帰れば病身の母親の世話をしたり愚痴を聞いてあげたりと心優しいアーサーだ。同じアパートに住むソフィーを密かに想っている。
ある日、路上の仕事中に面白半分で暴漢襲われ看板を壊され、自分も傷ついてしまう。幼い時から母親から「いつも笑顔で」と言われ続けてきたが、腹の底からムラムラと怒りが沸き起こって……。
ホワキン・フェニックスの演技に魅了された。ピエロの時のアーサー、白塗りを取った時のアーサーが演じ分けられていたが、狂気になってからはもう一人の「颯爽とした」アーサーが現れるのだ。
心優しいアーサーが変わっていくのは彼のせいではない。周りの心無い言葉、暴力、嘘が彼を変えていくのだ。
彼を怒りに駆り立てる遠因は、人気テレビ番組の司会者マーレイ・フランクリン(ロバート・デニーロ)や市長に立候補するトーマス・ウェイン(ブレット・カレン)だが、それぞれにアーサーの思い込みの深さや勘違いが含まれていて、やりきれない憐れさで涙が出た。
★突然、狂ったように笑い出すアーサーの声が耳について離れない。
2019年09月23日
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