🎬『恋の街、テヘラン』 /イラン、イギリス、オランダ/102分
舞台は大都市のテヘラン。
元チャンピオンのボディビル・トレーナーのヘサム(アミルヘサム・バクティアル)はフランス映画の出演のオーディションが受かり楽しみにしていたが、ジムの上客の甥がボディビル大会に出るために特訓をしてほしいと頼まれてトレーニングを始めた。
美容クリニックの受付をする太った女・ミナ(フレーク・ガジャベグリ)は気に入った男性患者にこっそり偽名で電話をかけて誘い出そうと画策していた。
モスクで葬式の時に歌うワヒド(メーディ・サキ)はフィアンセに別れを告げられた。友人は「暗くて悲しそうな歌ばかり歌ってるから辛気臭く逃げられたんだ。結婚式場の歌い手をさがしているところがあるから紹介する」と言われ断り切れないで結婚式場に行く。
テヘランに住む3人の男女の群像劇で奥が深い作品。公開して大勢の方に観てもらいたい。
3人ともすごく不幸とか貧乏ではない。なんとか自分の力で生活している。でも「愛するパートナー」はいない。
相手や世間から決定的なことを「突きつけられる」が、自分の口からは何も言わない。期待を裏切られることには慣れているのか、これが普通の日々と思って「ほんの少し希望」を感じたいと願っているだけのように見えた。
3人とも愛すべき存在と最後に気付いた。ちょっとしたことでも人間は幸せを感じ、前を向いて生きていこうとするいじらしい存在なんだな……と感じた。
2019年09月21日
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