1980年代、アメリカ。ポケットに入れた拳銃をチラリと見せるだけで、微笑みながら誰ひとり傷つけず、目的を遂げる74歳の銀行強盗フォレスト・タッカー(ロバート・レッドフォード)。
被害者の銀行の窓口の女性や支店長は彼のことを「紳士だった」「礼儀正しかった」と口々に言う。人を傷つけることなく2年間で93件もの銀行強盗を成功させたフォレスト。事件を担当するジョン・ハント刑事(ケイシー・アフレック)も、追いかけていくうちに彼の生き方に魅了されていく。
御歳82のロバート・レッドフォードさんが、実在した強盗犯フォレスト・タッカーを描いた『さらば愛しきアウトロー』を最後に引退するというニュースだが、お身体から無駄な力がスーッと抜けた絶妙演技に目を奪われた。まだまだやれるじゃないですか、これからじゃないですか……と言いたかった
『運び屋』をやったクリント・イーストウッドさんは(89歳でまだまだ今後もいけそう)麻薬運び屋、レッドフォードさんは銀行強盗……、それにお二人とも紳士。
アメリカを代表する俳優の輝きは消えていない。この輝きは貴重なもので、色気やユーモアある受け答えで「男の本領」が見えてくる。
⭐️デビッド・ロウリー監督は『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』