2019年06月15日

6月14日公開映画『さよなら、退屈なレオニー』『SANJU/サンジュ』伏見ミリオン座にて

🎬『さよなら、退屈なレオニー』セバスチャン・ピロット監督/カナダ/96分/伏見ミリオン座にて

カナダ・ケベックの海辺の町で暮らす17歳の少女レオニー(カレル・トレンブレイ)は、高校卒業を目前に控えていたが、ざわつく気持ちを抱えていた。

退屈なこの街を出たい、自分は何をしたいか分からない、口うるさい母親(マリー=フランス・マルコット)も気に入らない、それ以上に母親の恋人でラジオの人気DJのポール(フランソワ・パピノー)が大嫌い……原因はいっぱいあった。離れて暮らす実の父親だけが心許せる大人だった。

そんなある日、町中の喫茶店で年上のギター教師・スティーヴ(ピエール=リュック・ブリラント)と出会ったレオニーは、この町になじまない雰囲気の彼に興味を持って、早速ギターを習うことにした。


土曜日朝9時半の初日初回で約45人。まあまあので出しだ。

レオニーの行動や心の動きは「観ている者の予測」を外さない。だけどこの胸騒ぎは尋常ではない。彼女の行動が礼を失していて、その場の大人にとって奇行に思えても「それで、どうした?」と許せてしまう。

ママの恋人ににっこりすればお小遣いでもたくさんもらえるのに、17歳では気持ちに嘘はつけない。だから夜、野球練習場でたった一人でアルバイトしている。

犬と足の不自由な母親の2人暮らしのギターの先生に教えてもらった3つの主要コードだけ弾けるようになったレオニーは、久しぶりに会う父親にそれを聴かせる。父親は「いい曲だな、お前が作ったのか」(のようなこと)とほめられる。

なんでもないひととき、なんでもない会話で確かな愛がピカッとひかった瞬間だった。

⭐️2018年東京国際映画祭ジェムストーン賞を受賞したカレル・トレンブレイ。原題は「蛍はいなくなった」
⭐️主要コードをものにすればなんとか音楽を奏でることができる……これ、人生でも3つの重要なことを守っていればなんとか行けそうな教訓にもなりそう。
⭐️17歳の女の子の映画にしては全編流れる音楽は非常にマセていた。そこも気に入ったところだ。

🎬『SANJU/サンジュ』ラージクマール・ヒラニ監督/インド/159分/伏見ミリオン座にて

サンジャイ・ダット(ランビール・カプール)は映画監督の父と大女優の母を持ち、25歳で主演デビューを果たした。親の七光りも手伝って大ヒットを連発、たちまちトップスターの座に上り詰める。

だがその重圧からドラッグに溺れる。スキャンダラスな報道、最愛の母の死、恋人との別れ、銃の不法所持、テロ行為関与の冤罪、刑務所の地獄の日々と続くが、それでもサンジャイは諦めることなく試練に立ち向かっていくが……。

インドの国民的大スター・サンジャイ・ダットさんの波瀾万丈の半生。まだご存命だから描き切れないところもあるのでは? と疑う気持ちもなきにしもあらず。

⭐️159分とインド映画的には普通の長さだが、ストーリー展開が巧みなので長いとは思わなかった。見応えは十分で、インド映画ファンには見逃せない作品。
posted by ミッキー at 16:14| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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