🎬『7月22日』ポール・グリーングラス監督/ノルウエー、アイスランド、アメリカ/144分

2011年7月22日、極右思想を持ったノルウェー人の若者アンネシュ・ベーリング・ブレイビク(アンデルシュ・ダニエルセン・リー)が首都オスロの政府庁舎前で爆弾を積んだ車を乗り付けて爆破、8人を殺害。さらにすぐその足で警官を装って労働党青年部のサマーキャンプが行われていたウトヤ島で無差別に銃を乱射し69人の命を奪った。
これは今公開中のノルウエー映画でノルウエー語の『ウトヤ島、7月22日』と同じ事件を描いているが『7月22日』は全編英語。144分と長めだが事件の全体像を知るには、こちらの方が見応えがあった。
映画はブレイビクが単独テロを実行する朝から始まり、一連の行動が映される。その合間合間に市庁舎の様子やウトヤ島に渡ってはしゃぐ若者たちの様子がはさまれている。
警察は『ウトヤ島〜』より意外と早く到着して、割りとあっけなく逮捕された。取調室でブレイビクは弁護士を指名したり、射殺した頭蓋骨で手を怪我したから取り調べの前に治療をしてほしいと要求したりしている。(治療中にはピッツァとコーラをのんでいた)
世間から批判の矢を向けられる弁護士一家、ブレイビクの母親の言い分、瀕死の状態の入院患者など、多岐にわたって丁寧にかつリアルに描かれていた。