2001年9月11日、アメリカで同時多発テロが発生。ブッシュ大統領はすぐさまテロとの戦いを宣言して、イスラム系テロ組織アルカイダの指導者・オサマ・ビンラディンが首謀者と疑う。
そんな中で31紙の新聞を傘下に持つナイト・リーダーのワシントン支局長ジョン・ウォルコット(ロブ・ライナー)の耳に驚きのニュースが飛び込んで来た。ブッシュ政権がビンラディンをかくまっているアフガニスタンのタリバンだけでなくイラクとの戦争も視野に入れているというものだった。
そうこうしているうちに、2002年、イラクのサダム・フセインが大量破壊兵器を保有しているとして、アメリカ大統領ジョージ・W・ブッシュはイラク侵攻に踏み切ることを宣言した。
ジョン・ウォルコットは、部下のジョナサン・ランデー(ウディ・ハレルソン)、ウォーレン・ストロベル(ジェームズ・マースデン)、そして元従軍記者でジャーナリストのジョー・ギャロウェイ(トミー・リー・ジョーンズ)に取材を指示するが……。
4月5日に公開する『バイス』はこの同時代の中枢を描いていて、そっくりさんが勢揃い。だが今日のは新聞記者やマスコミの取材模様を事実をベースに描いている。いただいた映画資料に載っているご本人のお顔と俳優さんは、言うまでもなく全然似ていない。
しかし取材を通して体験したこと感じたことは「真実」以外のなにものでもない。アメリカの、いや全世界のほとんどが裏付けなしの政府垂れ流しの情報を発信していた中で、彼らの勇気ある行動に感服した。
監督さんはジョンソン元大統領を描いた『LBJ ケネディの意志を継いだ男』の方。今回も政治に関する作品だが、91分は短すぎると感じた。もう少し長くしてもっと詳しく知りたいと思った。