昼夜営業のカフェ「ザ・プレイス」の奥まった席にいつもいる男(ヴァレリオ・マスタンドレア)には、たえず訪問者がいて、自分の願いを男に切々と訴えるが、男はそれを叶える条件として一人ひとりに特異な任務を与える。それができれば希望が叶うと言うが……。
パオロ・ジェノヴェーゼ監督の新作。前作は『おとなの事情』で一般公開された。食事に集まった7人の大人たちが、「メールが届いたら全員の目の前で開くこと」「かかってきた電話にはスピーカーに切り替えてみんなに聞こえるように話すこと」というルールを設定する話で、一つ所で話が展開していく。
新作もお店の内部がほとんど。いろんな相談の例は、
アルツハイマーの夫を救いたい老婦人には、人が多く集まる場所に爆弾を置け、雑誌に載っている女性と懇ろになりたいという男には、ある少女を救え、など、そんなことできそうもない人に難題を与えていく。
何がどうなってそれをしたら願いがかなうのかチンプンカンプンだけど、映画の終盤にかけてその顛末がドドドドッと押し寄せてきて椅子からずり落ちそうになった。
ミッキーは修道女キアラ(アルバ・ロルヴァケル)の「神の存在を感じたい」という願いに「妊娠して子を産め」と条件を出すが、これが一番印象に残った。
⭐️ミッキーの願いは「英語ペラペラに」だが「1年間、映画を観ない」という難題なら遠慮しておこう。