2019年03月17日

大阪アジアン映画祭2019(8)『過ぎた春』『アワ・ボディ』

🎬『過ぎた春』バイ・シュエ監督/中国/99分/日本初上映

父は香港人、母は中国人の16歳のペイペイ(ホアン・ヤオ)は、深センから毎日国境を越えて香港の高校に通っている。

彼女は深センで母と住んでいるが、母は友だちを集めて麻雀ばかりしている。父は香港で別の家族を持っていて国境付近でトラック運転手をしている。

孤独なペイペイにとって一番楽しいのは、学校で親友ジョーと過ごす時間だ。2人で北海道旅行を楽しみにしている。学校で小遣い稼ぎに手作り品を同級生に売るなどしていたが、ある時、ジョーの誘いで船上パーティーに参加して、青年ハオに出会って……。


英題は「The Crossing」なるほどと思われるストーリーだ。母は麻雀狂いだが性格は明るい、父は時々ペイペイが仕事場に行くと小遣いをくれる。親友のジョーは大金持ちで大きな水槽にサメを飼っている。

貧富の差を表したいのだろうが、2人の境遇にはすごい開きがあって不自然さがあった。しかし、行きたいところが日本なだけに見ている方も嬉しかった。しかし、清純そうなペイペイが制服の下に新型スマホを何台も括り付けて危ないバイトをしてまで来るほど「いいところ」じゃないよ、と忠告したかった。


🎬『アワ・ボディ』ハン・ガラム監督/韓国/95分/日本初上映

アラサー女性チャヨンは公務員試験に幾度も失敗。ついに試験を放棄すると恋人には去られ、母親には疎まれてしまう。ある夜、出会った美人ランナーのヒョンジュに魅かれ、自分も走り始めるが、やがて肉体の変化とともに自分を取り戻していく。ヒョンジュの突然の死によって動揺するものの、以前の自分とは違うことを明確に自覚するのだった。


31歳の高学歴の女性の痛々しさがビシビシと伝わってきた。そんな韓国社会を描き切って長編映画デビューをしたハン・ガラムも、主役チャヨンを演じたチェ・ヒソさん(去年この映画祭でオープニング上映された『金子文子と朴烈(パクヨル)』の文子役の女優さんだ。来日されてこの役を得たいきさつを美しい日本語で話された。

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韓国と日本で「高学歴で30歳過ぎた女性が正社員ではない」の立ち位置、世間の目がこうも違うのかと驚いた。
日本なら「正社員なんかでこき使われて、やっておられるか、いい男探しに婚活しよう」が3割、大卒で一流どころの会社に入ったが対人関係に疲れて辞めた、まあ外国留学するか」が2割、後の半分だってそうそう暗くないと思うが……。

とにかく韓国は日本より厳しく周りの目も「高学歴ならこれぐらいじゃないと」のものさしが強くあることがわかった。

チャヨンは「走る」ことで身体と心を強くしようと一歩一歩踏み出す。その姿を見て妹が姉の力強さを眩しく仰ぎ見ていたのが印象に残った。

⭐️チャオンに走ることのきっかけをくれた美人ランナー・ヒンジョン(アン・ジヘ)は唐突に自殺(ミッキーは自殺と感じたが…)をするが、韓国は日本より自殺が多い国ということがわかり、理由はわからないが、ヒンジョンには隠された悩みがあったのだろう。
⭐️チャオンの母がしきりに公務員試験を受けろと言っていて、チャオンが5回も落ちている、そんなのかわいそう、と見ていたが調べてみたら250人に1人割合でしか受からない難関試験だった。
posted by ミッキー at 08:06| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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