2019年03月13日

大阪アジアン映画祭2019(4)「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」より

「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」は、脚本、30ミリフィルム使用、25〜30分の作品という条件で選ばれた5作品。無料上映でさぞ満員かと思いきや15人ほどで、5作品皆力作だったのでもったいなかった。各映画、演技力に定評のある俳優さんを使い、短編でも一番難しい30分の尺で頑張っていた。

🎬『サヨナラ家族』眞田康平監督/30分

一年前、目の前で突然父が苦しみだして救急車がついた頃には既に死んでしまった。そしてその頃から不思議な現象が見え始めるが、誰にも言うことなく過ごしていた。そんな洋平(石田法嗣)は、妊娠中の妻を残して自分だけ一周忌のため実家に帰省する。

実家の母(根岸季衣)は「父がふっと帰ってくるような気がする」と仏壇に話しかけ、妹は自分なりの方法で父の死を受け止めようとしている。それが洋平にはどうしても納得できなくて困惑する洋平。

実際に死の瞬間に立ち会った洋平の気持ちがヒシヒシと伝わって来た。嫁さんの「お腹赤ちゃんをきっと喜んでいる」「お父さんの好物だったから喜ぶよ」「いつもお父さんと話している」という家人の言葉が「実際に死んだ」を体験した洋平には「何を嘘っぽいこと言ってるんだ。親父は死んだのをもっと現実的に受け止めてくれ」と言う。

しかし彼の目には父親の姿が……。死んでも家のそこここにある気配を感じさせてくれた。


🎬『うちうちの面達(つらたち)は。』山元環監督/28分

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2週間前、夫婦喧嘩でママ(濱田マリ)が姿を消してしまった。八方探すがどこにもいない。パパは息子娘の朝食など不器用ながらやっていたが、内心は行方が分からないママを心配していた。

パパと娘の志保には行き先の見当もつかなかったが、13歳の浩次朗だけはママの居所を知っていた。そこは……。

ママは家の中にいて、長男だけが知っているという設定。家のどこに⁉️ 隠れていたかは、書きたいけど、内緒で言いたいけど、やめておこう。

⭐️面白さ一番の作品


🎬『くもり ときどき 晴れ』板橋基之監督/30分
母(浅田美代子)と暮らす晴子の元に、生き別れた父の生活保護扶養照会だった。25年前に両親が離婚して以来、初めて知る父の消息だ。家族の中で自分にだけは優しかった父に会いに行く晴子。

金属加工職人の父親の口癖は「設計図通りに生きろ」そのご本人が一番設計図から落ちこぼれているのに……。娘を医師と言ったり妻を自分の母親と言ったりボケは相当進んでいる。まあこうなれば国にお世話になる方が……。

⭐️最後に流れた歌がとても良かった。


🎬『はずれ家族のサーヤ』岡本未樹子監督/30分

紗綾(横溝菜帆)の母親(黒川芽以)は再婚相手との間に男の子ができて新しい生活を始めた。そんな沙綾はずっと祖母と2人暮らし。家族からはずれてしまった少女は、ある日、古い木箱を売るおもちゃ売りの男から不思議な力があると言われて、木箱をもらうが……。

幼い時に母親と別れて暮らしている少女に同情してしまった。大人には大人の事情があると思うが子には理解できなくて「はずれ」感覚はものすごく辛いはず。少女の演技の喜怒哀楽がとっても光っていた。


🎬『最後の審判』川上信也監督/29分

難関の東京美術大学の受験に挑む稲葉(須藤蓮)は浪人5年目。ゴローちゃんと呼ばれている。弟は早や今年から社会人だ。母親(黒沢あすか)はお金のことは気にしないで」というが彼は今年が最後の挑戦と決めていた。

いよいよ試験日。試験は2日間で仕上げる人物画。そこで出会った独特な雰囲気を持つ現役受験生の初音(永瀬未留)。ところが初音は他者を圧倒する才能の持ち主で、稲葉は初音の絵を意識するあまり、自分のペースが乱れてしまい……。

東京芸大の声楽を受けた55年前を思い出した。試験官が誰が歌っているかわからないように分厚いカーテンの中で歌わされた。だが美術科がこんな長時間のデッサン試験があるとは知らなかった。

稲葉は初音の画力の秘密を聞き出そうと食事に誘うが、彼女の食欲にも圧倒される。そして彼女発案の「路上で似顔絵を描く」競争に挑戦する。

⭐️一番脚本がしっかりしていた。
posted by ミッキー at 07:29| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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