東京・新宿。1972年、24歳から虎のお面を被り、ぬいぐるみをいっぱいつけた異様な姿をした男のドキュメンタリー。
ミッキーも新宿の映画館で三回ほど遭遇している。座る場所の好みは最前列中央でミッキーは最前列か2番目の右だからよくご近所?になった。両側に荷物やぬいぐるみが置いていた。
そんな男のドキュメンタリーだから期待したが、上っ面だけで深淵には達してなかった。
カメラが回っているところで飲み屋の主人であれ、旧友であれ、道を通る人たちも本音は出ないだろう。
知りたいこと、どうしてその格好をしているか、きっかけは、どこに寝てる等々ははぐらかされていた。
🎬『アルナとその好物』エドウィン監督/インドネシア/106分/日本初上映
職場の上司の指示で鳥インフルエンザの調査旅行にでかけることになったアルナは、友人でシェフのボノとインドネシア各地の名物料理の食べ歩きを計画する。そこへ友人でライターのナッドが合流、さらにはアルナの元同僚ファリスも加わり、4人の男女の旅が始まる。
お腹がすいていたらたまらない映画だったし、料理の手際も良かった。画面からは味の深みが伝わってきたが、男女4人のさっぱり風味の関係には共感できなかった。
🎬『美麗』ジョウ・ジョウ監督/台湾・中国/88分/日本初上映
クリーニング店に勤めるメイリー(チー・ユン)は、同性の恋人のリーウェンと二人暮らし。両親は今は亡く、実姉からはお金をむしんされたり、その夫(義兄)からは嫌がらせ受けていた。
そんな彼女はリーウェンと上海で生活をやり直したいと思っていた。しかしリーウェンは先に仕事で上海に行ってしまい、メイリーが一人取り残され、勤めていたクリーニング店も人員削減のために首になってしまう。
八方ふさがりの中で、優しい友人の世話で携帯電話の店に転職して数日たった時、実姉と幼い娘が夫から逃れて訪ねて来て……。
この日、一番辛い暗い希望がないの3拍子揃った中国映画。前日見た電影作品とは真逆の中国映画だ。
ここまで難儀な人生を歩むメイリーの原因は同性愛の問題もあるにはあったが、これに関しては影をひそめ、中国の国情が全面に押し出されていた。
姉の女の子は実は跡継ぎのできない姉の願望でメイリーが産んだ子で、彼女は一切実母としての「情」は見えてこない。一体、誰の子を身ごもった?……と、深読みで義兄?まさかまさかだが完全にNOとは言えまい。
そして、愛しあっていて同居していた恋人は上海で「男性」と恋仲になり、おまけにメイリーのありったけのお金を詐欺まがいの行為で盗られるという、彼女にとって踏んだり蹴ったり➕殴られたりの傷心映画だった。だから最後は「窮鼠猫を噛む(追い詰められたネズミが逃げ場を失ったとき、必死で猫に噛みつく」のことわざどおりの展開だった。