世界で最も汚染された川と呼ばれているインドネシア・チタルム川。汚染源の主なひとつは大規模な繊維工場群で、世界中のファッションを彩る繊維がここで作られている。この問題を憂慮したチーム「Green Warriors」は、市民たちの協力で、近隣の水、食料生産物、子どもらの体の被害を調べていくうちに衝撃的な発見をしていく。
日本でも「水俣病」と「イタイイタイ病」の2つは水質汚染が原因だ。その当時は因果関係云々で相当長い時間がかかったが、この調査で名前があがったファッション企業は一応に改善の方向に向かっていたのが救いだった。
汚染の科学的証拠として工場から排出する汚水の分析には、夜、工場排水を守衛のいないのを見はからって採取したり、子どもらの頭髪を調べたりしていた。河川近辺の人たちは有害と薄々分かっていても、それを証明することができなかったのだ。
⭐️国内では「ユニクロ」海外では「H&M」の名前が上がっていた。
🎬『黄金の魚 アフリカの魚(仮題)』トマ・グラン、ムサ・ジョップ監督/セネガル/60分
セネガル南部にあるカザマンスは、漁師、魚加工業者、出稼ぎ労働者が集まる西アフリカ最後の難民地区のひとつ。ここで獲れて、加工された魚によって多くのアフリカ諸国の食は満たされていたが……。
カザマンスの海で漁をする移民労働者の屈強な男たち。愚痴のようなものに節をつけて歌いながら、力一杯に網を引くと、イワシ、アジが大量にとれる。漁船が浜辺に近づくと、とれた魚を船上から箱に投げ入れて貰って、加工場に運ぶ。それを運ぶ男も移民労働者。足早に運ぶ男たちの長い行列の先には女たち、子どもたちがそれを燻製にするために手早く魚を並べる。
燻製で出る煙は臭いがすごく、働く人は煙で目をやられる。でも「ここは稼げる」と弱音ははかない。男たちの中には大学を出たが、ここで働いている若者もいる。
働く場所のないアフリカの国々からここに集まってくるのだ。彼らはこの近くにできる燻製工場に恐々としている。「工場と聞いただけで身震いがする、働く場がなくなり死ねと言われているようなものだ…」と話していた。
1年後の浜辺には、廃墟のようになった建物だけ残っていて、ここで屈強な若者が魚をとったり、運んでいた浜辺とは一変していた。一体、どこに行ってしまったのだろう……。