すっかり過疎化してしまったスウェーデン西部の小さな町。町の議会は経済活性化のためにドイツ資本の大型安売りスーパーの誘致接渉でいい感触を得て、それに向けて、この町のPR動画を制作しようと地元の住民や高校生に動画を依頼する。
そんな中で大親友の女の子ダナとアイダは、スマホ片手に町の様子を撮り始めた。しかし、撮った動画は町の議会のメンバーに出来が悪いと言われてしまう。議会はドキュメンタリー作家を雇い本格的に動画を撮ることにしたが……。
オープニング作品に相応しい作品。瑞々しい中に現実がユーモアを持って描かれていた。
監督さんは背がスラリとした美しい方で、出演している方々は全員シロウトさん。「今のスウェーデンを知っていただきたい、そのために、言語はスウェーデン語、英語、アラビア語、タミル語、クルド語、ボスニア語、ドイツ語となっている。これこそ、国の現実です」と、満員の会場の様子に感動した面持ちで語ってくれた。
⭐️2018年 ヨーテボリ映画祭最優秀ノルディック映画賞
これは後2回上映があるので関東近隣の方は渋谷にお運びいただきたい。
🎬『イート・スリープ・ダイ』ガブリエラ・ピッシュレル監督/スウェーデン/2012年/日本初上映
年齢とともに体の不調を訴える父親の世話をしながら、食品工場で働くラーシャ(ネルミナ・ルカシュ)は、頑張って人より手早い仕事ぶりだったが、解雇対象に選ばれてしまう。
父親はまだはっきり解雇と決まったわけじゃないのに、こうしてはいられないと数人の男たちとノルウエーに出稼に行った。
その後すぐに解雇通告を受けたラーシャは、一人ぼっちの生活の中、仕事探しの日々が始まった。
オープニング作品のガブリエラ・ピッシュレル監督さんの初監督映画。2013 年のスウェーデン・アカデミー( グルドバッゲ) 賞で作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞(ネルミナ・ルカシュ)を受賞している力作。
2012年の作だがその後7年の今が鮮明に映し出されていた。演出も撮影(ハン・ルンドボルグさん来日)もストーリー展開も満足した。
主演の若い女性ネルミナ・ルカシュさんの個性的なお顔立ちがいろんな苦境の中で落ち込んだり、悔しいと思い絶対涙を見せまいと我慢する表情に感服した。
これも後2回上映があるのでご覧いただきたい。
⭐️最初の2本が素晴らしいので雪空の寒さなんか全然感じなかった。