18世紀初め、ルイ14世のフランスと戦争状態にあるイングランドを、気まぐれで病弱な女王アン(オリヴィア・コールマン)が国をおさめていた。そんな女王を幼馴染のレディ・サラ(レイチェル・ワイズ)が相談相手以上の影響力を持って、権力を握っていた。
そこに、サラの従妹アビゲイル(エマ・ストーン)が上流階級から没落して、宮廷で召使いとして働くことになった。アビゲイルはサラに気に入られ女官になるが、貴族の地位に返り咲こうと、女王陛下に取り入るようになって……。
『籠の中の乙女』『ロブスター』『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』のヨルゴス・ランティモス監督さんだから、ただではすまないことはわかっていた。
悪趣味で卑猥なシーンや台詞で、毒気にあたってしまった。今までの3作品とはお金のかかり具合が違うだけに、その「毒気あたり」は治りにくかった。
ここに書けないレベルの女王陛下の台詞は今も耳についている。これは劇場で是非ご確認を。女王陛下も小声で申された台詞。
3人の女優さんだが、エマ・ストーンは出演作品がたくさんあってどれも注目度は高いが、この作品に関しては、サラ役のレイチェル・ワイズやアン女王役のオリヴィエ・コールマンの癖ある演技は格別で「役作りの完成度」では、あと一歩といったところだ。
⭐️第91回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演女優賞、助演女優賞、脚本賞、衣裳デザイン賞や美術賞など多くノミネートされている。