パキスタンの小さな村。幼い頃から声が出せないという障害を持つ女の子シャヒーダー(ハルシャーリー・マルホートラ)は、お母さんと2人でインドのイスラム寺院に汽車に乗って願掛けに行くことにした。
だが途中で電車が止まってしまい、いつ動くかわからないと車掌がいうので、お母さんは居眠り、シャヒーダーは可愛い羊が外にいたので触ってみたくなって一人で列車から降りてしまった。しばらくして何の前触れもなく汽車は走り出して……。
列車関係で迷子になった映画『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』を思い出した。これもインドの列車で寝込んでしまった小さな男の子の物語だった。巡りめぐって養子になって、大学も出てから友人の家で出された赤い揚げ菓子を見てから自分の故郷を思い出して……というお話だった。意外に地味な養子親にニコール・キッドマンが出ていたのでよく覚えている。
シャヒーダーちゃんは口がきけないので頷く、首を横にふるなど表情がとっても可愛い。こんなに可愛いから悪い人に騙される(そんな一場面もあった)ととんでもないことになると心配で仕方なかった。
でも、この少女、見る目があって、正直者で正義感の強い男パワン(サルマーン・カーン)から離れない。
まあ、筋は読めてしまうインドお決まり映画だが、159分飽きずに観せてくれたのはさすが。
インドとパキスタンの歴史や宗教など様々な点で対立しているが、道中協力者も出て来る。2人をバスに匿ってくれた運転手は「君みたいな人が増えると平和になる」と言っていたのが印象的だった。